「瀟洒(しょうしゃ)なる世界」は、
世界の洗練された建築物の数々やその建設に携わった人々等に焦点を当て、不動産を多角的に探究するコラムです。
第3弾は大阪・通天閣をご紹介します。

大阪にお住まいの方にとっては、大阪市浪速区の新世界の夜景は見慣れた街の灯かと思います。
ところが、やはり東京生まれの筆者にとっては、日暮れのこの街に一歩足を踏み入れると、映画のセットかのような迫力と華やかさに胸いっぱいになります。
特に、通天閣は大阪観光に欠かせないスポットの一つとして挙げられるでしょう。

この大阪のシンボリックな建物ですが、実は現存するものは“二代目”で、
“初代”通天閣というものがかつて存在していたといいます。
その姿は、パリの凱旋門にエッフェル塔を乗せたデザインでした。
また、パリを意識していたことを感じるのは建物のデザインだけでなく、
北側のエリアは、通天閣を中心として放射状に道路が敷設されているところも、エトワール凱旋門があるパリのシャルルドゴール広場に似ています。

かつてこの地には「新世界ルナパーク」という遊園地があり、通天閣はその入口に位置していました。
そして、このルナパークの街区計画の段階において、パリをモデルとしていたといわれており、当初は四方を放射状に街路が敷設される案がありました。しかしながら、メインとなる遊園地がニューヨークのコニーアイランドにある遊園地を模していることから、最終的には通天閣の南側の区画について、「ロの字型」に囲い込むような配置となりました。

1912年の誕生から約30年後の1943年1月、初代通天閣は火災により損壊したため、解体されてしまいました。
そして、戦後の1956年に二代目通天閣が現在の姿で建設されたのです。
まもなく70周年を迎える通天閣ですが、2022年5月に開業した全長60メートルの滑り台「TOWER SLIDER(タワー・スライダー)も人気のようですし、今年(2024年)7月には新たなアトラクションがオープンしたそうです。
地上約40mにある通天閣の中間部分から約14m下の中間展望台へ飛び出す「Dive」と、
その中間展望台の屋上の外周を命綱をつけて歩く「Walk」。
この二つを合わせ、その名も「Dive&Walk(ダイブ・アンド・ウォーク)」。
観光客にとって魅力的な要素がどんどん加わっています。
時が流れ、街並みが変わって、進化する新世界と通天閣。
こちらもぜひ↓
▶瀟洒なる世界 vol.1:エトワール凱旋門
▶瀟洒なる世界 vol.2:エッフェル塔
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