現在の賃料はどのくらいが妥当か、将来の賃料がどうなりそうか。
これらを客観的な数値で推計する重要性が高まっています。
これまでにも物件価格の相場を提供するサービスはありますが、不動産テック企業として、Gate.が重視するのは将来の賃料予測、およびそれを踏まえた物件の投資価値です。
将来を予測し、不動産投資の透明性を高め、リスクを軽減することが不動産テック企業としての付加価値であり、投資家、不動産事業者、金融機関など不動産取引に係る全てのプレイヤーにとっての利益にかなうと考えています。
活用事例
Gate.が人工知能のテクノロジーを提供しているオリックス銀行のキャッシュフローシミュレーターの画面です。赤枠の「賃料(月額)」は、物件を登録した方が入力した値が示されます。この値はシミュレーションで変更可能です。
一方、Gate.が推計した賃料は青枠に表示されます。
Gate.が人工知能で推計した賃料を見ることで、現在の賃料がどのくらいか、将来の賃料がどうなりそうかを把握できます。
賃料の推計
Gate.は脳の仕組み(ニューラルネットワーク)を模したディープラーニングと呼ばれる手法で賃料を推計しています。
賃料を決定づける要因はたくさんあります。たとえば構造、築年数、駅からの徒歩分数、専有面積、所在階数などです。Gate.ではこれらの要素を入力項目として、賃料を出力しています。
将来の賃料推計
Gate.の将来推計の方法は、入力項目の築年数の数値を1年ずつ加算して賃料を推計します。将来の好景気や不景気を予測して賃料を推計するのではなく、現在と同じ経済環境を前提にした賃料推計です。
賃料推計の精度
賃料推計の精度はMERと呼ばれる中央誤差率で4.98%です。
賃料データ10,000件のうち50%の物件は誤差率が4.98%に収まり、76%の物件は誤差率10%以内、95%の物件は誤差率20%以内に収まる結果です。
賃料の多面的な検証
これまで賃料の推計方法についてご説明しました。ここからは賃料を多面的に検証することをご説明します。
オリックス銀行のキャッシュフローシミュレーターには、「分析データ」の画面もあります。
分析データのボタンを押すと次のような画面が現れます。
Gate.が保有する物件データを駅ごとに集計し、当該物件の最寄り駅周辺の情報を提示しています。
駅周辺の賃料水準、専有面積、築年数の平均値との比較や賃料の分布の中で、当該物件がどの位置にあるのかなどを「見える化」しています。この分析データと「賃料・将来予測」を活用することで、物件の賃料水準の妥当性がわかります。
今後の不動産投資
今後、不動産の情報は、透明性が高まることはあっても低下することはないと言えるでしょう。情報の透明性向上は多くの人が求めるものだからです。
銀行をはじめとした金融機関は、不動産の担保評価について、これまで以上に定量的な分析を必要とするでしょう。ローンの与信管理を厳格にするため、現況賃料の妥当性や将来賃料の推計の精緻化に取り組むと思われます。
投資家は「かぼちゃの馬車」の問題を受けて、投資の自己責任を改めて認識したはずです。アパート経営やマンション投資にこれまでより慎重になり、不動産事業者に対して物件のリスク、リターンの説明を求める機運が高まりそうです。
不動産事業者は、不動産の情報が広がりやすい時代に対応して、情報の非対称性(知っているか知っていないか)ではなく、情報の付加価値(根拠を持った説得力のある情報提供)に舵を切りつつあります。
Gate.では、時代の変化に対応して、金融機関向け、投資家向け、不動産事業者向けに不動産テクノロジーのサービスを提供しています。Gate.を活用した業務拡大、業務の効率化も承っております。