不動産購入の際、住宅ローンで物件価格の7~8割の融資を受けるのが一般的ですが、これを上回って融資を受ける方法もあります。
ここでは、住宅ローンにおける「オーバーローン」と「フルローン」についてご説明します。
不動産投資に必要となるお金
マンションなどを購入して不動産投資を行う際、必要となるお金は大きく以下の3種類に分けられます。
(1)土地代金
(2)建物代金
(3)諸費用
(1)と(2)を足したものを「物件価格」と言い、それに(3)を加えたものが「総事業費用」となります。
不動産投資では、上記のすべての合計額、すなわち総事業費用を自己資金と金融機関からの借り入れ(住宅ローン)によってまかなう必要があります。
不動産取引における「フルローン」と「オーバーローン」とは
住宅ローンを組む場合、物件価格の70%~80%を借り入れ、残りを頭金として自己資金から最初に支払うのが一般的です。
一方で物件価格の100%を融資してもらう方法もあり、これを「フルローン」と呼びます。
さらに、物件価格に加えて諸費用分の融資を受けることを「オーバーローン」と呼びます。
オーバーローンという言葉は本来、銀行などの金融機関が預金を超過する金額を貸し出していることを指す経済用語です。
この言葉が転じて、不動産購入の住宅ローン借入金の残高が担保となる物件の時価を上回る状態のこともオーバーローンと呼ばれているのです。
フルローン、オーバーローンのメリットとデメリット
フルローンやオーバーローンを利用するメリットとして、少ない自己資金で不動産投資を行うことができる点が挙げられます。
フルローンの場合、諸費用のみを自己資金でまかなえば良いということになります。
オーバーローンで諸費用分も融資してもらう場合は自己資金の持ち出しなしで物件を購入することができるのです。
物件購入にあたって自己資金の総額をなるべく減らさないことができれば、次の融資をスムーズに受けやすいため、資産拡大のスピードアップにつながります。
これがフルローンやオーバーローンを利用する大きなメリットです。
一方デメリットとしては、融資額が多くなるゆえに利息額も大きくなることや、金融機関からの返済に対する信用が下がること、返済の負担が大きくなることなどが挙げられます。
また、物件を売却しても残額に到達しないリスクが大きくなることにも注意が必要だと言えるでしょう。
以上、住宅ローンにおける「オーバーローン」と「フルローン」についてご説明しました。
住宅ローン借り入れの際には、これらのメリットやリスクについて正しく理解した上で融資額を決めることをおすすめします。