第2話 東京雇われ大家物語 ~狭山市・世田谷区編~ (全4話)

Women customers and sales staff to the negotiation

私は以前勤めていた不動産会社で、会社のために賃貸用の区分マンションや1棟アパートを購入し、その管理も行っていたHと申します。
サラリーマンが、自分の資金と責任で大家業を行うのではなく、会社の資金で、大家業を行うお話です。
「雇われ大家さん」とでもいうべきでしょうか。

前回に引き続き、その時のお話を紹介させていただきます。

第1話 東京雇われ大家物語 ~江東区・立川市編~(全4話)
第3話 東京雇われ大家物語 ~初めての大家業・川崎編~ (全4話)

【三部屋目】

物件詳細
築年 1989年
交通 西武新宿線狭山駅徒歩6分
部屋階 3階
居室面積 20㎡

2003年約300万円で購入、2008年約280万円で売却。月家賃は3.5万円でした。

(退居と苦戦)

購入時に入居しておられたお客様は、大手メーカーの男性社員です。
しかし、数か月後、この方は転勤にともない退居されました。
その後、空室が続きましたので、最寄り駅にある地場の仲介会社に加え、他の駅にある大手の仲介会社にも客付の依頼をしました。
この大手仲介会社が、女子大生を入居させてくれました。
しかし、2か月後、同じマンションの別の部屋に住む男性が、トラブルを起こし警察に捕まるという事件がありました。
そのすぐ後に、お客様は退居してしまいました。
お客様は敷金の返還請求権を放棄なさいました。
ですが、この物件は家賃が3.5万円なので、10万円近いハウスクリーニング代の回収に3か月近くかかります。
低額家賃の物件は、見た目の利回りが高くても、退出時のハウスクリニーニング代が高くついてしまうことを、この時学びました。

(上司から友人に)

その後、大手仲介会社の仲介で中国人の学生さんが入居されました。
保証人はアルバイト先の居酒屋の店長さんです。
お客様に対する保証人様の関係は、「上司」と記載されていました。
2年後、仲介会社から賃貸借契約更新の書類が届きました。
保証人は2年前と同じ店長です。
しかし、お客様と保証人との関係は「友人」に変わっていました。
きっと、お客様は、お店で懸命に働かれたのでしょう。
店長さんはそれをじっと見守っておられたのでしょう。
二年という歳月が培った、二人の温かい人間関係を想像しました。

(売却)

出向先企業の清算にともない、この物件も売却することになりました。
買主は中国人の方でした。
できれば自分で住みたかったそうです。
ですが、お客様が入居中で、入居中はご自分ではお住まいになれない点をご了承の上でご購入いただきました。

Bride walking into bright room

【四部屋目】

物件詳細
築年 1991年
交通 東急世田谷線世田谷駅徒歩2分
部屋階 6階
居室面積 17㎡

1993年約2300万円で購入、2008年800万円で売却。月家賃は7~7.3万円でした。

(男性会社員の退去)

私が管理を引き継いだ際は、男性会社員が借主でした。
一度借主からご連絡があり、同じマンションに空室をお持ちなら友人を紹介したいというお申し出をいただきました。
自分たちは借主にお貸ししている1部屋しか保有してないため、ご紹介はかないませんでしたが、そこまで、このマンションを気に入って下さっているのかと感激しました。
しかし、転勤に伴い退居されました。転勤では致し方ありません。
退去後のリフォーム時、防音フローリングが割安で手に入るというので、以前は絨毯であったお部屋の床を、フローリングに変えました。

(寿退居)

大手仲介会社の紹介で、若い女性店員が借主となられました。
仲介会社の方から「感じのよい女性なので、入居の件をぜひお願いします」と言われました。
このマンションをお気に入り下さり、ありがたいことです。
この女性は、結婚のため退居されました。
退居理由をお聞きしたとき、とても嬉しそうにお答えいただきました。
どうか、お幸せに。

(意外な退居理由)

退去には、2種類あります。
一つは、転勤、帰郷、結婚など、貸主には落ち度がなく、対応のすべがないもの。
もう一つは、家賃が相場より高い、クレームへの対応が遅い、対応が不十分であるなど、貸主に落ち度があると思われるもの。
極力、後者が理由の退去は、無いようにしなくてはと思います。

続いて入居されたのは、不動産会社に勤める男性でした。
以前から、この物件に目をつけていたそうです。

プロに評価されるとは光栄なことです。
しかし、数か月後男性は退居されました。
退去の理由は、「社会保険料の値上げで給与の手取り額が減ったので、自宅に戻り、自分の経済状況を好転させたい」とのことでした。
初めて聞いた退居理由でした。

(支払いの遅れと実家)

その後、男性会社員が入居されました。
半年が経ったころ、一度だけ期限を過ぎても家賃のお支払いがされないことがありました。
ご本人様に連絡をしたのですが、お仕事がお忙しかったのか連絡がつきませんでした。
そこで、ご実家にご連絡したら、翌日家賃が振り込まれ、その後、家賃の遅れは一度もありませんでした。
お話した限りでは、借主のお父様は、恐ろしい方とはお見受けしませんでしたが、実家への連絡の効果は大きかったようです。
いつもこうであれば、よいのですが。

(売却)

2008年に、会社の清算で売却をするのですが、このマンションを私どもに販売した取引先から、500万円なら買えるとの申し出がありました。
しかし、ワンルームマンションの売買と仲介を手掛ける大手企業に、800万円で購入していただきました。

この大手企業が他社よりも買える理由は、「(この会社が)賃貸用マンションを買いたいお客を、たくさん抱えているから」だそうです。

こうした物件を取引する際には、不動産業者専用の情報網で売買の成約事例を調べることや賃貸の仲介会社に賃料相場の聞き込みを行うなどのことをしておりました。
不動産業者ではない方は、専用情報網をご利用できないので、購入のご判断にはお困りになるかもしれません。
ただ、最近は便利な賃貸用不動産価格判定ツールがございます。
そういったツールを使うことでより良い不動産投資ができるでしょう。

第1話 東京雇われ大家物語 ~江東区・立川市編~(全4話)
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賢い不動産投資を始めよう

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2017年4月11日 6:02 PM カテゴリー: 事例・実践

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