賃貸用不動産への投資では、マンションの1室を購入する区分所有マンション投資や、アパート1棟、マンション1棟への投資のような居住系が多くを占めます。
しかし、賃貸用不動産投資の人気化で、こうした居住系の賃貸用不動産投資の利回りが低下する中、オフィス物件投資など非居住系の不動産投資にも注目が集まり始めています。
今回は、オフィス物件投資を中心に、投資対象をいくつか紹介していきます。
オフィス物件投資
棟物投資
オフィス物件の投資は、1棟単位となるのが通常で、投資額が10億円を超えることも珍しくはありません。
そのため、そうした投資をするのは、富裕な個人や法人や不動産会社などに限られがちです。
区分所有オフィス
1棟のオフィスビルのうち、法的に区分された1フロアまたは1室を所有するものです。
こうした区分所有オフィス投資の投資額は1億円以上ですが、1棟物と比べ少額でオフィス物件に投資することが可能にはなります。
不動産小口化商品
1棟または複数のオフィスビルを対象に、不動産会社が匿名組合と呼ばれる事業運営組織を組成し、そこに投資をするものです。
不動産小口化商品と呼ばれることもあります。
投資額は100万円から500万円程度です。
不動産投資というよりは、不動産を対象とする金融商品で、国債や株式などとの比較対象として、論じられることが多いようです。
実例でいうと、某不動産会社では、第一号の商品(投資額500万円)が1999年に組成され、5年後の2004年に当初予定された3.5%の利率で償還されました。
この商品は、全出資額の30%を劣後出資と呼ばれる償還の優先度が低い出資とし、それを全てその不動産会社が引き受けました。
そのため、組成対象となる不動産の評価額が当初より30%下落しても、一般の出資者には損失が発生しない仕組みとなっています。
そうした仕組みによる安心感もあってか、最近の商品の運用利回りは1%台であるにもかかわらず、直近の商品も完売となっています。
ホテル区分投資
マンションの1室をホテル運営会社に賃貸する不動産投資です。
この場合、ホテル運営会社の都合で賃料が下げられるリスクがあります。
賃料減額を要求されたときに、代わりのホテル運用会社を探すのは極めて難しいです。
こうした場合に備えて、契約を解除して居住用に転用できる物件であるかを確認してから購入する必要があるでしょう。
店舗区分投資
マンションまたは飲食ビル等の1室を、物販業者や飲食業者に賃貸する不動産投資です。
ホテルのようにベッドや浴室のような設備があるわけではないので、住宅へ転用する場合はホテル区分以上に費用がかかります。
ですから、入居している借主さんの事業が持続する可能性の高さや、借主さんが撤退した時の次の借主さんの見つけやすさを、ある程度見極めることが重要です。
そのためには、物件の周辺の不動産会社(賃貸の仲介会社)を複数回り、その物件に入居しているお店が流行っているか、もしそのお店が撤退したら、お客を探してくれるかをヒヤリングすることが一つの有効な方法となるでしょう。
コインパーキング投資
賃借による運用
土地を借り、コインパークングに必要な設備も借りて運営する方法です。
借りる土地は、地代が高くなる駅前ではなく、大学、病院など人の集まりやすい場所の周辺にある土地を借りるのがよいようです。
土地や機器を借りる前に、運営を予定している土地の周辺のコインパーキングを回り、収支の予測をたてるなど調査能力が求められます。
購入による運用
土地を購入して運用する方法もあります。
しかし、融資を引く場合には金融機関への説明が居住用不動産よりもはるかに難しいため、初心者や家賃年収3000万円以下の方には、お勧めしないとのことでした。
超上級者向きと感じました。
太陽光発電投資
太陽光発電とは、設置した太陽光パネルが日光を浴びて、電気を発生させるものをいいます。
その電気を電力会社に販売し、太陽光パネル等の投資額を回収していくのが、太陽光発電投資です。
太陽光発電は、電力会社が20年間固定された価格で購入することを法律で義務づけられているために、安定的な売上が期待できる点が魅力的です。
反面、天候の影響により期待したほどの発電がされない場合があることや台風等で太陽光パネルが破損する可能性があることも考える必要があります。
また、20年後は電力会社による購入価格や購入の有無自体が不明などのデメリットもあります。
このため、20年よりも短い期間で回収できうる投資案件を検討し、太陽光パネル等に保険を掛け、保険の対象外となるケースも想定し、ある程度の資金を留保しておく必要があるでしょう。
非居住系の不動産投資は、居住系投資より高めの利回りが見込める半面、テナントの募集・管理等で専門的な知識・経験が求められ、それに対応できる不動産会社も居住系の不動産会社よりは少なくなります。
そうした専門的な知識・経験を持つ不動産会社を探すことができれば参入のチャンスは存在します。
とはいっても、やはり慎重な投資が求められるので、まずは居住系不動産投資でしっかりと運営できるようになった上で検討してく方がよいかもしれません。