米国不動産王「ドナルド・トランプ」に学ぶ不動産経営

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壮絶な大統領選を制して、第45代アメリカ合衆国大統領に選任されたドナルド・トランプ氏。そのトランプ氏が、不動産の大事業家でもあることは皆様ご存じのことと思います。
1990年代の初めには、90億ドルもの負債を抱えたトランプ氏でしたが、実業界に返り咲いたばかりか、合衆国大統領にまで登りつめました。

トランプ氏はアメリカの名門ペンシルベニア大学を卒業していますが、父親の家業、そして自身の経験からも不動産経営の多くを学んだと言われています。今回は、彼の半生から不動産経営のヒントを探っていきます。

忍耐強く、絶好球を「待つこと」

取引をまとめたいと心から願うときは、往々にして条件が合わないものです。
そんな時こそ、「待つこと」が大切になるとトランプ氏は言います。その時点では必要な条件は揃わなくとも、常に状況は変化するためです。
トランプ氏は過去に、30年間条件が揃うのを待った取引があったと言われています。
そして大統領となった今なお、その胸中に秘めるプロジェクトは数多くあるといいます。

この「待つこと」ですが、ここには「大きな損失を回避する」という意味が含まれていることも重要です。
トランプ氏は以前、ある大きな不動産投資に興味を持ちましたが、度々、何らかの問題が生じる案件だったため、最終的な決断をしませんでした。
すると数ヵ月後、激しい嵐がその周辺地域を襲い、プロジェクトは実現不可能な状況に陥ったのです。
「待つこと」にしたおかげで、彼は結果的に大金を失わずに済んだのです。
「待つこと」はときに前進することよりも難しく、自制心をはるかに必要とすることです。
条件が合わないときには、強い心を持ち、決して屈してはならないと彼は言います。

とは言っても、自分の理想的な条件を待ち続けてもいけません。
彼は、現実を見ることの大切さも、以下のように、ユーモラスに力説しています。
「私にも当然、不可能なことはある。たとえば、私が今すぐオリンピックの水泳競技で金メダルを取ろうと思ったとする。そのとき私に必要なのは水泳のコーチではなく精神科医に自分の頭をみてもらうことだ。どれだけ多くのレッスンを受けようと、どれだけ熱心にトレーニングしようと、そしてどれだけ大量のステロイド剤を飲んだとしても、そんなことは決して実現しない!」
つまり、不動産でいうならば、絶対にあり得ないような好条件の物件ばかり探していてもそんな物件を見つけるのは不可能だということをトランプ氏は述べているわけです。
「現実を見つめ」つつ、「好機を待つ」ことが大切なのではないでしょうか。

徹底的に研究する

トランプ氏は、大学時代から暇を見つけては、試験勉強よりも不動産や抵当権実行に関する本を読んだといいます。
稼ぐ力をつけること、それこそが彼にとっての勉強だったのです。
彼のこうした日々の勉強は、初めての不動産取引を成功に導きます。

彼の初めての取引は、ある住宅団地でした。
その住宅団地は、1200戸あるうち800戸が空室。
ディベロッパーは倒産し、政府が抵当権を行使していた物件でした。
しかし彼はこの取引を大きく成功させます。
トランプ氏はこの取引の成功の源泉は徹底的に研究する姿勢であったと振り返り、今日まで習慣として持ち続けています。

トランプ氏はたとえばゴルフ場の開発に当たっては、まずトップクラスの専門家達を訪れ、樹木やホールのアイディアを、何百も尋ねるといいます。
専門家との徹底的な議論を通し着工までにやるべきことやプロジェクトの進め方を全て頭に入れてしまうため、プロジェクトの進行中、常に情報の遅れをとらないそうです。

私たちが彼のように、トップクラスの専門家と面談の約束を取り付けることは、難しいかもしれません。
しかし、研究方法はそれだけではありません。
自分が購入を検討している物件のエリアの賃貸仲介会社を数件訪問して、賃料相場を聞いてみるなど、私達にできることは必ずあります。
彼のこの徹底的に研究するという習慣は、今すぐに私たちにも実践可能でしょう。

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大きく考える。しかし、最初は小さくてもかまわない

トランプ氏が手がける事業はどれも壮大なものばかりです。彼がホワイトハウス入りするまで居住していたトランプ・タワー(ニューヨーク)は、58階建てで、高さは202m。
加えて、高さ5階建て分のアトリウムには滝が流れています。
考えることも言うことも、とにかく大きい。彼はそれを「トランプ・ルール」と呼んでいます。

しかしこのルールは一歩目から大きなことを実現しろと言っているのではなく、あくまで「自分の可能性を自分で制限してはならない」ということを教えてくれていることに、我々は気づかなくてはなりません。
今住んでいる小さな家を、住宅団地にするとしたら、あるいは複合ビルにするとしたら、現段階でいくら必要でしょうか。
その最初の一歩ではすぐに夢に近づけなくても、着実にすばらしい未来の基礎を築いていると考えてみましょう。
はじめの1歩は小さくても、だんだんと歩幅を大きくしていくという気持ちが大切です。

忍耐強く待つこと、現実をみつめること、徹底的に研究すること、大きな夢を抱きながらも、はじめは小さな一歩を踏み出すこと。
こうしたトランプ氏の考えには、テレビや新聞で見聞きする彼の言動とは、異なる側面が感じられます。
是非、今後の不動産経営の参考にしてみてください。

参考:「トランプ最強の人生戦略」ドナルド・トランプ著、田中 孝顕訳 きこ書房

賢い不動産投資を始めよう

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2017年3月31日 4:59 PM カテゴリー: 不動産投資, 事例・実践

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