不動産取引や不動産投資に不安がある人へのアドバイス

円満な取引
(写真=PIXTA)

 これから不動産投資をしたいと考えている方は、どのようなことに不安がありますか?不動産取引は株や投資信託への投資と違って、価格決定が不透明です。そのため信頼できる不動産業者を選ぶ必要があります。今回は不動産取引ではどのような点に気をつけなければならないか、どのような基準で不動産業者を選べばいいか、徹底的に解説します。

不動産取引は価格が不透明?

 これから不動産投資をはじめたいという人は、不動産投資の価格決定の不透明さが不安なのではないでしょうか?実はこれは不動産取引の初心者だけでなく、ある程度経験を積んだ人でも不安を持っている問題です。不動産の価格決定は「収益還元法」がよく使われます。収益還元法とは、その物件が将来的に生み出す収益を予測し、それに基づいて物件の価格を決定する方法です。当然、将来的な収益が大きければ物件価格も高くなり、収益が小さければ物件価格も小さくなります。また、その他にも周辺の取引事例から価格決定する「取引事例比較法」や、同じ物件を建てたときにかかる金額から、老朽化分を差し引いて計算する「原価法」という方法もあります。
 収益還元法には、その物件が1年間に生み出す収益を、その物件から得られることが妥当な投資利回りで割って算出する「直接還元法」と、将来に得られるであろう収益と売却時の価格を予測して現在価値に置き換えて、その合計額を物件価格として算出する「DCF法」があります。DCF法は計算が複雑ですが、その分、将来の賃料減価などを織り込むことが可能です。

 不動産投資家は、まずは収益還元法の計算方法を知っておけば、不動産業者がどのようにして物件価格を決定しているのかを一応把握することができ、大まかな適正価格は把握することができます。

不動産取引でありがちなトラブル

 しかし、適正価格が不透明であること以外にも、不動産取引をはじめる上での不安要素があります。それは不動産取引特有のさまざまなトラブルです。不動産取引でのトラブルは、入居者との間で発生する家賃の滞納などの日常的なトラブルと、不動産業者との間で発生する契約やお金をめぐるトラブルとがあります。入居者との間でのトラブルには、多くの本やネット上の記事でノウハウが解説されていますが、不動産業者との間のトラブルとなると、解説したものは一気に少なくなります。

 不動産業者との間でのトラブルには「契約・解除に関するトラブル」「仲介手数料に関するトラブル」「管理契約に関するトラブル」などがあります。もちろん中にはいい業者も多くありますが、不動産業者の選び方・付き合い方は初心者には難しい面が大きいでしょう。そこでいい不動作業者を選ぶための基準を知っておくことが非常に重要になるのです。

不動産業者を選ぶ基準とは?

 まずは不動産業者を選ぶ上でのポイントをご紹介しましょう。

①顧客の目線を持っている
 不動産業者もビジネスですので、できれば物件を購入してほしいと考えています。しかし、どの物件を買ってくれるだろうか?という目線から提案してくる業者はあまりよくありません。業者の立場から考えて売りたい物件を提示してくる、もしくは顧客が買ってくれそうな物件を提示してくるからです。選ぶべき不動産業者は、顧客の年齢や収入、投資経験、家族構成などの情報から総合的に判断して、その顧客にもっとも合っている物件を提示することができる業者です。不動産投資家は、自分の投資戦略やポートフォリオに基づいて投資物件を選択します。そのため同じ物件でも、投資家によってそれが適正であったり、不適正になったりします。不動産業者の立場からいい物件でも、投資家にとっていい物件ではないことも多いのです。そのような場合に投資家の立場に立って、本当にその顧客にあった物件を紹介できる不動産業者を選びましょう。こちらの年齢や収入、投資経験などの情報を正確に把握しないまま物件を紹介してくるような業者は要注意です。

②リスク感覚を持っている
 不動産取引を行なう上で、もっとも重要な要因の1つが「リスク感覚」です。不動産投資には「家賃下落リスク」「空室リスク」「物件価格下落リスク」「家賃滞納リスク」「金利上昇リスク」「災害リスク」などたくさんのリスクがあります。災害や不動産市場の不調など、避けられないリスクもあれば、借入が大きいことから毎月のキャッシュフローがマイナスになってしまったり、物件価値を維持・向上させる努力を怠ったために空室率が上がってしまうといった、自分の投資戦略によるリスクもあります。実際、大きすぎるリスクを背負って失敗してしまったために、不動産投資から撤退する投資家も多くいます。そのため、投資家にとっては物件選びは非常に慎重にならなければならないのです。
 しかし、不動産業者の中には不動産投資家のようなリスク感覚を持っていない業者が多くいます。不動産投資には、借入でレバレッジを利用して投資できる、安定的に収入が得られるなどのメリットも多くありますが、投資家のようなリスク感覚を持っていない業者は、そのメリットの面ばかりを強調することがあります。それでは正確な投資判断が難しくなります。不動産業者は、その物件にどのようなリスクがあるのか、正確に伝えてくれる業者を選ぶべきです。

③物件の不動産価値を上昇させる提案ができる
 不動産業者の中には、物件を紹介し購入させることを目的としている業者が多いです。しかし中には物件を取得した後に物件の不動産価値を維持・上昇させるにはどうすればいいか、ということまで提案してくれる業者がいます。不動産を売却するときに、物件を安く買いたたかれるのはいやですね。少しでも高く売るためには、空室率を下げること、それまでの不動産の運用履歴を資料として残しておくこと、物件の管理・修繕を細かく行なうこと、などが重要になります。その物件のコミュニティの良好さも物件価値上昇の1つの要因になるでしょう。しかしこのようなことは、物件を取得したときからすぐに準備し始めなければなりません。最初から出口戦略を考えておく必要があるのです。このような取得から売却までの戦略をトータルで考えて、物件価値を上昇させることができるような提案ができる不動産業者を探しましょう。

④ITに強くデータに基づいた提案ができる
 不動産業界にもIT化の波が進んでいます。しかし、積極的に取り入れている業者とまだまだ積極的でない業者とに二極化しています。不動産取引においても、ITを駆使して具体的かつ正確なデータに基づいた提案ができる業者と、旧態依然とした経験主義的な営業を行なう業者とがあります。どちらを選ぶべきかは言うまでもありません。客観的なデータに基づいた提案ができる業者を取引相手とするべきでしょう。例えば、物件を取得するときにも、物件価格をどのように決定しているのか、近隣の取引事例に基づいた「取引事例比較法」や、再度同じ物件を建てるのにかかる費用から老朽化分を差し引いた「原価法」での説明ではなく、より正確に算出できる「収益還元法」で説明してくれる業者がいいでしょう。特に「DCF法」で行っており、その算出過程を教えてくれる業者がベストです。

不動産業者とは個人的・長期的な付き合いを

 不動産業者との付き合いは、長期的に築き上げていくものです。不動産業者の担当者も人間ですので、はじめて会った顧客と長く取引している顧客とでは、後者にいい物件を紹介したくなります。少しでも有益な情報を教えてもらうためにも、不動産業者とは長期的かつ個人的な付き合いをしていくことをおすすめします。

 

賢い不動産投資を始めよう

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2017年1月10日 8:30 AM カテゴリー: 不動産投資

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