Airbnbの利用をマンション規約で拒否できるか

外国人向けパンフ

 Airbnbを始めとした民泊が拡大しています。
 日本を訪れる外国人は急増している一方で、その人たちを受け入れる部屋が圧倒的に不足しています。また、地方から東京への出張でも部屋を取りにくくなっているという声をよく聞きます。
 Airbnbなどの利用者が増えると、マンションの住人の中には、最近、知らない人をよく見かけるようになったという感想とともに警戒感を露わにする人も出てきます。コミュニティ意識の高いマンションでは管理規約を見直して、民泊を禁止しようとするところもあります。
 そこで今回は、民泊とマンション管理の関係について見ていきます。

マンション標準管理規約とAirbnb

 国土交通省のマンション標準管理規約の第12条に、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定されています。では、この規定が適用されるマンションではAirbnbを始めとした民泊は認められないかというと、話はそれほど単純ではありません。
 マンション管理規約で住居としての使用が原則とされていても、具体的に住居以外のどのような使用が違反となるかは非常に判断が難しいのです。用途違反と判定する裁判例も多様です。ありがちな問題としては、習い事教室や学習塾等を開くケース、少人数の事務所(SOHO)として使用するケースがありますが、裁判で用途違反と判定され使用差し止め請求が認められるかは、そのマンションの状況や規約の内容、管理組合と当該人との交渉の方法など、いろいろな要素が考慮されます。

区分所有者には使用収益の権利がある

 マンションの区分所有者には、専有部分の区分所有権があります。(区分)所有権は財産権の中でも強い権利で、区分所有者は、排他的に専有部分を支配し、自由に使用、収益、処分する権利を持っているのです。Airbnbなどを利用した民泊にしても、区分所有者は、賃借人に住宅として使用させているのですから、用途の違反には当たらない範囲で自己の財産を使用収益していると主張することができます。
 一方、区分所有法第6条には、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」という規定があります。区分所有者は専有部分の所有権を主張できますが、マンションは一棟の建物を区分所有者が共同で利用するという面もあるため、専有部分の使用は、区分所有者の共同の利益に反してはならないという規定です。
 つまり、Airbnbなどを利用した民泊については、区分所有者は自己の財産を使用収益する権利があり、この権利に対して、マンション管理組合が管理規約、あるいは区分所有法にもとづいてどこまで対抗できるかという問題になります。

マンション管理組合が裁判を起こせるか

 マンション管理組合が、Airbnbなどの利用者に対して裁判を起こすことを考えます。管理組合がAirbnbなどを利用した民泊を「共同の利益に反する行為」と判断すれば、区分所有法57条にもとづく「共同の利益に反する行為の停止等の請求」、あるいは同法58条にもとづく「使用禁止の請求」を求めることができます。
 しかし、57条にもとづき訴訟を提起するには、区分所有者の決議(過半数)が必要ですし、58条にもとづく訴訟ともなれば、さらに困難が伴います。58条にもとづく使用禁止の請求ができるのは、区分所有者の共同生活上の障害が著しい場合で、57条にもとづく請求によってでは、区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難な場合に限られるからです。さらには、あらかじめ、当該区分所有者に弁明する機会を与えなければならないうえに、議決権の四分の三以上の議決が必要になります。
 このように裁判に至るハードルが高いうえに、実際に裁判となった時に、民泊が、一方の区分所有者の財産権を排除するほどに、他方の区分所有者の共同生活上の障害が著しいと認定されるかは未知数です。

 今後Airbnbを始めとした民泊は拡大していくでしょう。また法律の整備も進んでいくと思われます。しかしながら、現状では、現実の動きに法整備が追い付いていない状況です。マンションの管理規約にしても区分所有法にしても、民泊を想定した法体系にはなっていません。旅館業法にしても然りです。
 Airbnbなどの民泊については、様々な立場や考え方の人がなるべく多く納得できるような、適切なルール作りの議論が待たれます。

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2015年12月1日 8:00 AM カテゴリー: 不動産投資, 民泊運営

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