香港流家賃値上げテクニック、池袋で炸裂!

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(香港投資家の待ち合わせによく使われる銀座のホテルロビー)

 私は縁あって、香港や台湾など中華圏の個人投資家さんと、お付き合いをしています。彼らが日本で投資物件購入を希望される際は内見アテンド、もし良いご縁になれば売買仲介、物件管理、納税代行などの仕事につなげていきます。

 円安が進み、ここ数年は外国人による日本不動産購入の動きが増えていますが、その主役になるのは彼ら中華圏の人たち。彼らが日本で物件オーナーになると、当然、「お国の流儀」を持ち込むわけで、そのなかには、日本の常識からすれば驚くべき発想も含まれています。

 先日、香港人の投資仲間から聞いた「家賃値上げテクニック」もそのうちの一つ。

 彼は昨年の初め、池袋駅から徒歩10分、築20年超のワンルームを、750万円前後で購入しました。現況、入居がついて月額家賃6万。グロス利回りは9%台後半。最近の中華圏バイヤーは都内の区分マンションを利回り4~5%で高値掴みしているケースが多く、築古ワンルームとはいえ池袋で9%台は、外国人にしてはまあまあの数字。

 でもって彼は、この物件に良い値段がつけば売りたいと、香港から私にLINEで相談してきました。私はこう答えました。

 「いま香港台湾の投資家が東京のワンルームたくさん買ってるから、グロス利回り8%、売値900万円なら俺のお客さんに紹介できるよ」

 でも彼は、もっと高い値段で売りたいらしい。聞くと、1100万円くらい欲しいとか!日本で、昨年750万で買ったものを、わずか1年後に1100万で売却なんて鬼…と思いましたが、香港では当たり前の話らしい。彼の質問は続く、

 「来月末に賃貸契約切れるから、家賃を5千円くらい賃上げできないかなあ?」

 現状の賃貸契約書をみると、入居者保護の色彩の強い普通賃貸借。この契約と、いまの日本の市況を考えると、契約更新時に家賃値上げなんて、夢のまた夢ですよ。入居者が替われば、池袋なら2~3千円くらい値上げの余地はあるでしょうけど…と話したところ、彼から驚くべき打診がありました。

 「こんなことできないかな…たとえば、更新の際に月額家賃を5千円UPする。その代わり、1年間分の家賃、6万円を入居者にキャッシュバックする」

 えっ、まじ?賃貸借契約の巻き直しが必要になっるし、そもそも家賃値上げなんて現入居者が受け入れないと思うけど…でも何のためにそれやるの?と聞くと、

 「月額6万5千の家賃で利回りを高く見せれば、1100万くらいで香港人に売れるじゃん?」

 確かに、月額6万5千。78万の年額家賃に見せて1100万で売れば、グロス利回り7%を超える。でも、それってババ抜きだし、買った人が結局損するだけだから、私は自分のお客さんにそれやりたくない。

 その代わり、もう少し穏当なプランを提案しました。「来月末の契約更新の際に1年間の定期賃貸借契約に巻き直して、家賃は据え置くが1年後に数千円値上げの可能性を示唆しておく。1年後、新規に定借契約を結んで、そのタイミングで家賃を2~3000円上げる。入居者がその契約を嫌って退去したら、最初から2~3000円上げた家賃で入居者募集する」

 我ながら良くできたプランと自画自賛しましたが、例の香港人は、それ以来、私にこの件で相談してこなくなりました。1年かかるのがトロすぎるんでしょうね。

 中華圏投資家向けの不動産ビジネスって、自分がもっと鬼にならなければ、客に損させても平気にならなければ、大金は手にできないのかもしれませんね。

 でも俺、そういうことはやりたくないしなあ…細くても、末永く商売していきたいから。I am too nice to be a real estate businessman?

(不動産投資家 鈴木学)

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2015年2月14日 6:56 PM カテゴリー: 不動産投資

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