不動産投資において本当に大事な「トータルの投資利回り」の考えかた

不動産投資の利回りとは

 不動産の収益を測る方法はいくつかありますが、もっとも一般的な指標が表面利回りです。多くの不動産投資家や不動産業者がこの表面利回りを比較して不動産投資を行っています。今日は不動産投資の利回りがどのように変化していくのかについて説明していきます。

投資不動産から得られる年間賃料を不動産価格で割ったものがいわゆる表面利回りです。式を変形すると、不動産の価格は下記の数式で説明できることになります。

P(価格)=R(賃料)÷ [r(期待利回り)- i (インフレ率) ]

※利回りは将来の期待なのでインフレ分が割り引かれます。

 つまり100万円の賃料Rが取れる物件で、投資家の期待利回りが5%のマーケットであれば、その不動産の価格は2000万円と値付けされるということです。期待利回りが高くなればなるほど、同じ物件で見た場合の市場価格は下がっていきます。投資家の期待利回りが10%の市場では、100万円取れる同じ物件の価格が1000万円になってしまいます。

期待利回り

 上記の図は時期別の投資家の期待利回りの変化を説明していますが、日本の不動産マーケットは投資家の期待利回りが変化することで動いてきました。バブルの絶頂期1990年に、当時の不動産投資家の期待利回りの目線は2%でした。2%の家賃が取れる物件であれば投資をしていたということです。

 先ほどの100万円賃料が取れる物件であれば、市場価格は5000万円であったということです。バブルがはじけた結果、不動産に強いリスクを感じた投資家達が10%の期待利回りを求めるようになった結果、不動産価格が1000万円となってしまったというのが暴落のロジックです。利回りと価格の関係としては期待利回りが5倍になることで、市場価格が5分の1になるという関係が存在していることになります。前回の証券化バブルのころは市場の期待利回りが3.8%ほどまで行きました。リーマンショック後の2009年ごろにはやはり10%位を期待するマーケットになっていました。

不動産投資の利回りの予測

 日本の不動産マーケットは期待利回り2%から10%の間で動いています。この期待利回りの変化が不動産価格の上昇や暴落の波を作り出しているのです。2015年現在の市場の期待利回りはおよそ5〜6%といったところまで来ています。不動産市場に資金が流入することで不動産投資家や不動産事業者が許容する利回りが変化したためです。円安によって海外投資家の資金が日本に流入し、さらにオリンピックが決まったことで、日本の不動産投資家の利回りへ期待値が押し下げられたのです。多くの人が欲しがるからこそ、取れるリターン(利回り)が低くなっても取引されているということです。

 価格を左右するもう一つのファクターがインフレ率です。長らくデフレであった日本の市場が、アベノミクスによってインフレになっていくという期待が高まっています。仮に1%のインフレ期待のマーケットであれば、投資家の期待利回りが1%押し下がるのと同じ効果となりますので、その分不動産価格上昇となるということです。

 世界に目を転じてみると中華圏やヨーロッパなどはすでに期待利回りが1~3%のところまで押し下がっています。日本の期待利回りがどこまで押し下がるのか。前回の証券化バブルとはいかなくても東京オリンピックを5年後に控え、少なくとも4%位までは期待利回りは押し下げられるという見方が多い状況です。不動産投資を検討される方はこうした市場動向を見極められることがなにより重要です。

不動産投資の本当の利回りとは?

 不動産投資のパフォーマンスを測る手段として内部収益率(IRR)指標があります。これまで説明した不動産収益の一つの目安である表面利回りには売却益を考慮することができないという弱点があります。その点、IRRは不動産の売却益までを含めた総合的な不動産投資の利回りを計算することができます。

不動産投資の利益は家賃収入であるインカムゲインと売却益であるキャピタルゲインの合計です。表面利回りはあくまでも不動産取得時の価格の妥当性を評価する指標であって、不動産投資の成果を測るための指標ではありません。取得価格である不動産の価格と、家賃収入であるインカムゲインしか比較していないからです。

 先ほどの例で言えばたとえば、1993年に取得して、今売却するという場合、市場の期待利回りは10%から5%へと半分になっています。期待利回りが半分になるということは価格が2倍になるということです。1000万円の不動産が2000万円で売れるということですし、5000万円の不動産が1億円の相場になるということです。明らかにインカムゲインでのリターンを超えたキャピタルゲインを確保することができています。

 不動産投資家を躊躇される方の多くは、このキャピタルゲインを意識していないことが多いようです。日本に限らず世界各国の不動産が定期的に上昇下落を繰り返してきた歴史を鑑みれば、不動産投資でキャピタルゲインを得る機会はきちんと存在していて、それを無視した投資はナンセンスであることがご理解いただけるでしょう。

 不動産投資において、大切な視点は、表面利回りではなく、最終的なトータルの投資利回りをきちんと実現できるかどうかということなのです。

賢い不動産投資を始めよう

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2015年2月3日 11:21 AM カテゴリー: 不動産投資

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