死後でもできる相続対策!?相続税還付制度を上手に活用しよう

相続税(写真=Thinkstock/Getty Images)

 「相続対策は早めに行いましょう」これが一番確実で重要な相続対策だ。暦年贈与による次世代への財産移転や、不要な不動産の売却・交換、アパート建設など、相続対策はとにかく時間や労力がかかる。そのため、早い段階から着手することが何よりだ。ただ、不慮の事故や突然の不幸というのは誰にでも起こりうるため、すべての人が前もって相続対策を万全にできるわけではない。そこで相続人の死後に行うアクションとしての税金の還付制度を紹介しよう。

相続税の申告期限に注意

 相続税は自己申告制の納税制度だ。相続開始があったことを知った日から10ヶ月以内に申告しなければならない。10ヶ月というのは結構短いもので、遺族としては悲しみにくれながら、一方では冷静に被相続人の資産状況を把握し、遺産分割をしてから申告をしなければならない。遺産分割まで必要なのは、申告時までにそれぞれの相続人の納付額が決まってないといけないからだ。実はこれがなかなかハードルが高い。相続人の知らない借金や資産が出てきたりすると、相続人同士で財産の奪い合いや借金の押し付け合いが生じて、いわゆる争族が生じるからだ。そのようななか、10ヶ月以内で申告まで完了させるのは至難の業と言わざるを得ない。

 そのためか、国も一応のフォロー策として法定申告期限から5年以内であれば更正の請求を認めてくれる。これは国税通則法23条の「更正の請求」に示されており、「納税申告書を提出した者は、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等につき更正をすべき旨の請求をすることができる。」と書かれている。そのため、税務署側もすんなり更正請求を受け付けてくれる。

意外と戻ってくる相続税の還付金

 相続税を払いすぎた場合は戻ってくる可能性がある。これが還付制度で、申告期限から5年以内に還付請求をすることができる。相続税の還付請求を専門とした税理士に還付を依頼してみると、7割くらいの確率で還付金が戻ってくると言う。つまり多くの人が相続税を納め過ぎているというのが実態なのだ。納め過ぎの理由は上述の国税通則法23条にある「課税標準額」が保守的に高く見積もられているからだ。相続税申告では実際にもらった財産の額より少ない額で申告した場合には、あとから加算税がかかってしまうため、慣れない税理士の場合は、どうしても高めの安全額で申告してしまう。そのため、被相続人の財産に不動産が多いと、課税標準額が高すぎる可能性もあるのだ。

土地の評価額は見直す価値あり

 死後でもできる相続対策とは、この還付制度を利用し、還付請求が可能な5年以内にもう一度、不動産の評価額を見直してみるということだ。土地は利用区分ごとに評価されるものであるが、よくあるケースとしては、一筆の土地で利用区分が異なっている場合において、その点が見落とされている場合がある。たとえば角地やニ方路の土地で、異なる路線価に接しているような土地があるとする。このような場合は、一方の路線価は高く、一方は低いというようなケースが見受けられる。この時に、同じ土地のなかに住宅の土地と駐車場の土地で利用区分が分かれている場合、利用区分ごとに接している路線価で評価すると、評価額が低くなるケースがある。ほかにも大きな土地を持っている場合、道路との高低差や、崖地を含む、悪臭・騒音がひどい、高圧線下にあるなどはもっと評価額が下げられたかもしれない。相続税は累進課税方式のため、不動産の評価額が下がると税率も下がる。そのため、納税額に結構なインパクトを与えるのだ。

 では、相続してしまった後に、土地を売却したり、賃貸に出した場合はどうなるのだろうか。この場合もあくまでも相続時点での土地利用に基づく評価額なので、その時点に遡った土地の利用方法で再評価すれば還付は可能だ。しかも還付金は納め過ぎた税金の返金であるため、その還付額に対する所得税もかからない。

 もう相続が終わってしまった方も、5年以内であればチャンスがあるので、もう一度、当時の土地評価額を見直してみることをオススメする。

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2015年2月19日 4:38 PM カテゴリー: 節税

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