最近気になる不動産投資、ローン審査基準はやっぱり厳しい?

審査
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 「不動産投資をはじめよう」と思ったときにまず気になるのが、「不動産投資ローンの審査に通るのか?」ということではないでしょうか。不動産投資ローンと通常の住宅ローンとでは、審査基準が大きく異なります。不動産投資ローンの審査基準について具体的にみてみましょう。

金利は住宅ローンより高い

 まずは、気になる不動産投資ローンの金利について。不動産投資ローンの金利は、通常の住宅ローンよりも高めに設定されています。たとえばソニー銀行の場合、不動産投資ローン(変動金利)の金利は1.997%(201526日現在)ですが、住宅ローン(変動金利)の基準金利は1.889%。頭金10%以上の場合は1.889%からさらに引き下げられ、0.839%となっています。

 住宅ローンは金融機関の間での競争が激しく、客の奪い合い、低金利競争となっています。しかし、不動産投資ローンの場合は、積極的に算入している金融機関がまだ少ないため、そこまで競争市場になっていないというのが現状のようです。

審査のポイントは「勤め先」と「年収」

 では、審査基準はどうなのでしょうか。審査基準で住宅ローンと大きく異なるのは、年収と職業です。住宅ローンの場合は、年収400万円以下の場合であっても、定職につき、勤続年数が3年以上で、過去の信用情報に問題がなければ比較的簡単にローンを組むことができますが、不動産投資の場合は異なります。

 以下はある不動産仲介業者がまとめた不動産投資ローンの審査基準の一部です。

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 まずは職業。ソニー銀行、オリックス銀行、スルガ銀行においては、会社員は「上場企業またその子会社」に限定されています。大手企業でなければ、定職についていても審査に通ることは難しいということになります。東京スター銀行やりそな銀行は「正社員」となっていますが、それぞれ一定の基準があり、やはり企業規模などが考慮されるようです。

 自営業者なら、医師や弁護士など士業の場合は問題なく融資を受けることができますが、そのほかの自営業者はかなり厳しいといえます。知名度ある芸能人であっても、不動産投資ローンの審査に通ることは難しく、審査に通ったとしても、通常よりも高い金利を要求されることがあります。

 次に年収ですが、基準が一番低いのはオリックス銀行で450万円以上。一方、一番高いのはスルガ銀行で700万円以上です。なかには年収基準を設けていない金融機関もあるようですが、年収450万円以上というのが目安のポイントとなります。

融資条件は銀行によってさまざま

 勤続年数に関しては、3年が基準となります。これは住宅ローンを借りるときも同じで、転職直後の場合は、たとえヘッドハンティングなどで前職よりも厚遇を受けたとしても、審査に通らないこともあるので注意が必要です。

 融資上限額は購入価格の7095%以内で銀行により基準が異なります。金利などの面でよりよい条件を得るためには、物件購入価格の2割程度の頭金を用意しておきたいところです。

 年収返済比率とは年収に対するローン支払金額の比率のことで、たとえば年収800万円の人が年間200万円のローンを返済する場合は、25%(=200万円/800万円)となります。こちらも銀行により2540%以内と開きがあります。

 通常、不動産投資では、借主が支払う賃料でローン返済を行うため、年収返済比率を気にせずローンを組む投資家もよく見受けられます。しかし、空室リスクをゼロにすることは難しく、万が一、空室となった場合には、何ヶ月程度まで自己負担が可能かなど、しっかりと返済シミュレーションを行い、余裕資金を用意しておくことも大切となります。

 最後に総借入金額ですが、こちらも年収の620倍と銀行により条件が大きく異なります。年収800万円の場合、ソニー銀行やオリックス銀行の場合は4,800万円程度ですが、スルガ銀行に関しては最大16,000万円まで借入が可能となる算段になります。

不動産投資ローンに積極的な金融機関とは

 以上が不動産投資ローンの審査基準の参考ラインです。一般に、不動産投資ローンに消極的なメガバンクは審査が厳格でハードルが高いとされています。地方銀行は融資には前向きだとされていますが、物件の所在地などに制限があるのでその点、注意が必要です。銀行以上に融資に積極的なのがノンバンク。審査は銀行より緩いようですが、金利が高めなので慎重に検討したいところです。

 審査基準をみてもわかるように、不動産投資ローンの審査に通るためには、勤め先と年収が大きなポイントとなります。できるだけ有利なローンを組むために、実績豊富な不動産会社に相談するのも手でしょう。最近ではOLや会社員にも不動産投資の人気が広がってきているようですが、誰でも気軽に始められる投資法、ということではないようです。

(ファイナンシャルプランナー、CFP®1種FP技能士 工藤清美)

賢い不動産投資を始めよう

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2015年4月2日 11:30 AM カテゴリー: 不動産投資

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