不動産の2つの利回りを計算してみよう!

不動産の2つの利回りを計算してみよう!

利回り
(写真=Thinkstock/Getty Images)

表面利回りは費用が考慮されていない 

 投資用不動産物件の広告を眺めていると、「利回り〇%!」といった文字を見かけますよね。今だったら、最も空室リスクの少ない、都心・築10年前後・駅近のワンルームマンションで、5%台といったところでしょうか。

 利回りというのは、投資額に対して1年間でどのくらい利益を得ることができるかを表したものです。広告などに表示されている不動産の利回りは「表面利回り(グロス)」といい、年間収入(満室時の年間賃料)を物件価格で割って算出しています。

表面利回り(%)=年間収入÷物件価格×100

では、実際にインターネット上で取れる情報から、表面利回りを計算してみましょう。

物件Aの条件

中央区日本橋 築13年 駅徒歩4分 
購入価格 1,880万円
賃料年額 1068,000(月額89,000)
表面利回り=1068,000÷1,880万円×1005.68

 上記の条件で計算すると、表面利回りは約5.68%ということになります。

 表面利回りは、都心よりも郊外、郊外よりも地方といったように立地が悪くなると上昇していく傾向にあります。また、築年数が古い、駅から遠いなど、条件が悪くなるにつれ、同様に上昇していきます。一般的に、リターンが大きいほどリスクも大きくなります。不動産の一番のリスクは空室リスクです。よって、表面利回りが低ければ空室リスクも低く、反対に、表面利回りが高ければ空室リスクも高い、と考えることができるでしょう。

 表面利回りは、物件価格と賃料さえわかれば計算できるので、不動産の利回りを測る指標として広く利用されています。しかし、不動産を購入・保有する際にはさまざまな費用が掛かります。表面利回りはそれらの費用を考慮していないため、実際の手取り収入でみた場合の利回りと大きく乖離する場合もあります。

不動産の購入時・保有時の費用をチェック

 それでは、購入時や保有時には、実際にどのような費用がどれだけ掛かるのかをみてみましょう。

 不動産を購入する際には、主に以下のような費用が掛かります。

・登記費用
・ローン費用
・ローン事務手数料
・火災保険料
・印紙代 など

 例えば、上記の物件Aクラスのワンルームマンションの場合、購入費用は合計で5060万円程度となります。ローンを利用しない場合の費用は、合計で30万円程度となるでしょう。  

 次に、保有時の費用をみてみましょう。主に以下のような費用が掛かります。

・管理費
・修繕積立金
・管理委託料
・固定資産税
・都市計画税 など

 管理費とは、建物の清掃や点検、設備交換など、建物を管理している管理会社に支払うための費用です。修繕積立金も建物の管理会社に支払う費用で、外壁の塗装や屋上の防水など、1015年に1度行われる大規模修繕のための積立金です。管理委託料とは、賃貸契約後の家賃の代行受領や苦情・家賃未納などへの対応、修繕の手配などを管理会社に委託した場合の費用となります。管理委託料は、どのくらいのサービスを受けるかにより異なりますが、一般的には賃料の5%前後と考えられます。

実質利回りを確認しよう

 表面利回りに対して、これらの費用を考慮して計算した利回りを、「実質利回り(ネット)」といいます。実質利回りは、実際の年間賃料から管理費などの費用や固定資産税などの税金を差し引いた後の金額を、物件価格で割ります。購入時に登記費用などが掛かっていれば、それらを物件価格に加算します。

実質利回り(%)=(実際の年間賃料-諸費用)÷(物件価格+購入時の費用)×100

では、先ほどの物件Aで実質利回りを計算してみましょう。

物件Aの条件

中央区日本橋 築13年 駅徒歩4分 
購入価格 1,880万円
賃料年額 1068,000(月額89,000)
購入費用     約50万円
保有費用年額   管理費105,600
修繕積立金52,800
管理委託料53,400円(家賃の5%)
固定資産税などの税金 約5万円
 計261,800

実質利回り=(1068,000円-261,800円)÷1,880万円+50万円)×1004.18

費用・税などは参考数値です。

 上記の条件で計算すると、物件Aの実質利回りは約4.18%ということになります。現在、都心・築10年前後・駅近物件の実質利回りは34%台という感じでしょう。

 不動産は、購入・保有時にさまざまな費用が掛かります。不動産投資を検討する際には、それらの費用も考慮しながら、全体の投資効果を考えることが必要です。また、高利回りを求めた結果、空室がずっと続いてしまうといったことのないように、バランスを考えることも必要かもしれませんね。

(ファイナンシャル・プランナー、CFP®、FP技能士1級 工藤清美) 

 

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