J-REIT投資 配当利回り以外に知っておくべき3つの指標(2) NOI利回り

J-REIT
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 前回、P/NAVでは、J-REITの不動産価値を時価評価し直して、時価ベースの純資産価値(NAV)と株価(P)を比較しました。

 今回の指標は「NOI利回り」です。NOI利回りは、不動産の収益率を示す指標です。数値が高いほど収益率が高い不動産を保有しているREITだといえます。

NOINet Operating Income

 Net Operating IncomeNOI)は、J-REITの不動産の収益性に着目する指標です。まず、J-REITの損益計算書を簡略化した図を見てみましょう。

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(出典:日本ビルファンド 2014年12月決算短信、単位千円)

 NOIは不動産の収益力に着目した投資指標です。損益計算書の中から、不動産賃貸の損益に関する部分を取り出して、保有している不動産からの収益を測定するのがNOIです。

NOIの計算方法

 NOIの算出式は以下です。

NOI=不動産賃貸収入  不動産賃貸費用 + 減価償却費

 ポイントは不動産賃貸収入から不動産賃貸費用を控除した不動産賃貸損益に、減価償却費を足し戻すことです。なお、減価償却費を足し戻す理由は、資金の支出を伴わない費用だからです。また、賃貸事業収入から、通常は不動産の売却損益を取り除きます。

 先の日本ビルファンドの例では、損益計算書上の「不動産賃貸収入」と「その他不動産賃貸収入」の合計が不動産賃貸収入(34,806百万円)となります。そこから不動産賃貸費用(約19,750百万円)を引いて、さらに減価償却費(7,163百万円)を足し戻した22,219百万円が、日本ビルファンドのNOIとなります。

 なお、減価償却費は決算短信上では損益計算書の注記や内訳の箇所に記載されています。

NOI利回り

 NOIは、不動産賃貸の純利益の額をみるものです。資産規模が大きくなると、NOIの額も大きくなりますので、J-REITの銘柄評価としては、単純にNOIの大きさを比較することはできません。

 そこで銘柄を比較する場合はNOI利回りが使われます。

NOI利回り=年換算NOI ÷ 不動産額

 J-REITはほとんどが6か月決算ですので、年換算には当期のNOIを2倍するか、当期と前期を合わせて1年間のNOIとする方法があります。分母の不動産の額は、不動産取得額、期末簿価、期末鑑定評価額などが用いられます。

 以下の表は主要な6REITNOI利回りを計算したものです。なおNOI利回りの分母は不動産の簿価額です。

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 不動産のNOI利回りは投資対象不動産の立地や規模、希少性に加えて、賃料の上昇期待によっても異なります。さらに、資産タイプでも違います。たとえばオフィス物件の取引者は多いものの、商業施設や物流施設は関係者が限られることから、一般的にはオフィス物件の方が商業や物流施設よりも流動性が高いと考えられます。

 流動性が高いとリスクは小さいため、流動性リスクもNOI利回りに反映されます。そのため同じ資産タイプのリートでNOI利回りを比較するか、異なった資産タイプのリートを比較する場合は資産タイプの違いを考慮に入れたほうがいいでしょう。

賢い不動産投資を始めよう

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2015年5月7日 7:57 PM カテゴリー: REIT

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