J-REIT投資 配当利回り以外に知っておくべき3つの指標(3) FFO利回り

J-REIT
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 前々回のP/NAV、前回のNOI利回りに続いて、今回はFFO利回りを説明します。FFO利回りとは、J-REITのキャッシュフローで見た配当利回りのようなものです。

Fund From Operation(FFO)

 まず、Fund From OperationFFO)とは、J-REITのキャッシュフローに着目する指標です。NOIが保有している不動産のキャッシュフローに着目するのに対し、FFOは、リートの投資法人としてのキャッシュフローに着目する分析手法です。

 FFOの算出式は以下の通りです。

FFO=当期純利益+減価償却費+(売却損売却益)

 J-REITの当期純利益に減価償却を足し戻して、不動産の売却損益を修正します。不動産の売却損益の効果を取り除くのは、一過性の利益だからです。

FFO利回り

 次にFFO利回りの算出式は以下の通りです。

FFO利回り 1株当たりFFO ÷ 株価

 FFO利回りは、減価償却費を考慮したキャッシュフローベースの利回りといえます。

  J-REITの場合は、配当性向がほぼ100%ですので、当期純利益は配当額とほぼ同じです。つまり減価償却費を考慮しない場合の利回りが配当利回り、減価償却費を考慮した利回りがFFO利回りということになります。

 減価償却費の分、FFO利回りは配当利回りより高くなります。

FFO利回りのポイント

 以下の表は主要な6REITFFO利回りを計算したものです。

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 J-REITの投資家は各銘柄の配当利回りを重視しますが、配当利回りの分子となる1口当たり配当金は銘柄ごとの配当政策の違いが影響しています。減価償却費の範囲内で当期利益超える利益超過分配を行う銘柄もあれば、当期利益の範囲内で配当する銘柄もあるからです。 多くの場合、リートは当期利益を超える配当は行いません。しかし、なかには減価償却費の一部を配当の原資にして、当期利益額を超えて配当する銘柄もあります。

 そのため、配当に回らなかった分まで考慮した、FFO利回りで比較すると、割安、割高の判断が複眼的になります。

 これまで3回にわたり、J-REITの銘柄選択のポイントとしてP/NAVNOI利回り、FFO利回りを解説しました。最後にお伝えしたいのが、どの指標を見るにしても共通したポイントがあり、増資の有無なども含めて、単年度の財務成績はブレやすいということです。複数年度の財務分析を行って、事業の安定性をみるようにするといいでしょう。

 

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2015年5月8日 12:00 PM カテゴリー: REIT

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