英国のEU離脱によって日本の不動産市場が被る影響

英国のEU離脱によって日本の不動産市場が被る影響

Election or referendum in Great Britain. Voter holds envelope.

ロイターの報道によると英国の国民投票でEU離脱が濃厚です。

開票率96.2%の時点で「離脱」が3.5ポイントリードしています。残りの票数を考慮すると、これから「残留」が逆転するのはほぼ不可能と思われます。

以下は、英国がEUから離脱するという前提で日本の不動産市場への影響を検討します。

 

外国人投資家らの物件放出はあり得るでしょう

 外国人は、これまで年間1兆円規模で日本の不動産を購入してきました。今回の英国のEU離脱を受けて、外国人投資家はリスクテイクに慎重になりそうです。日本の不動産投資にも慎重になり、追加投資を凍結、さらには保有物件の売却となる可能性は高いです。そのため高額物件はインバウンド資金の売却取引が成立しにくくなるでしょう。

 一方で中国や台湾の投資家は今後は所有する日本の不動産の処分の絶好の機会となりそうです。日本の投資家に物件を販売する動きが加速する見込みです。もしかしたら相場より安い物件の放出もありえます。

世界的な金融緩和は継続・強化

 英国のEU離脱は他のヨーロッパ諸国への影響も大きく、世界景気にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いです。英国の政治が不安定となり、株式市場が大荒れな中、金融の引き締めを行えば壊滅的な事態になりますのでFRBは利上げ見送りとなり、ECBや日銀は追加緩和を検討する可能性が高く、世界的に見て市場の資金量のだぶつきは維持されるでしょう。

 日本の不動産市況を過度に懸念する必要はないと考えます。これまでの日本の不動産バブルの崩壊は総量規制や貸し渋りや貸し剥がしといった、いずれも金融の引き締めがきっかけになっています。金融の引き締めが起こらなければ、基本的には不動産市場の暴落は起こらないと考えるのが自然です。東京オリンピックによる不動産価格のプラスインパクトは継続しますので、株や為替から不動産への資産移動を考慮すると、少なくとも日本の不動産市場が打撃を受けることはなさそうです。

円高による影響

 今回の事態によって円高が進んでいます。一時、ドル円は99円台にまで円高となりました。しばらくは円高圧力のかかる状況が続きそうです。

 円高によって訪日外国人が減少することが見込まれます。そのため民泊などのビジネスは大きく減速する可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

 英国のEU離脱の国民投票の結果は、英国のみならずヨーロッパ、米国、日本といった世界的な景気に悪影響を与えるのは間違いないでしょう。

 しかし、今回の事態を受けて、米国は利上げをしにくくなったのは間違いなく、英国、欧州、日本ではさらなる金融の緩和の可能性も出てきそうです。世界的に資金が潤沢に供給されることは不動産投資にとってはいい環境と言えます。

 英国のEU離脱を過度に心配する必要はなく、世界的な資金供給の状況等を冷静に見ていくスタンスが必要でしょう。

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