何が違うの?−証券投資と不動産投資について−

何が違うの?−証券投資と不動産投資について−

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 投資には大きく2つのものがあります。証券投資と不動産投資です。投資対象の違い、という以外にどのような相違点があるのか、投資初心者の方は知らないケースも多いようです。それぞれの特性の違いや、投資家にとって注目するべき点についてご紹介します。 

証券投資?不動産投資?

 「投資」と言うとどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
多くの方は画面を見ながら株を売買するようなイメージかもしれません。
しかし、投資とは非常に広い意味を持つもので、さまざまな種類があります。

 投資とは、なんらかの投資対象に資本を投下して、それ以上の利益を回収することを目的として行う行為のことを指します。
たとえば企業が新しい製品開発を行うことや、新しいプロジェクトを始めることも、なんらかの事業に対して資本を投下してそれ以上の利益を求める「投資」です。
さらに意味を広げると銀行が会社に融資を行うことも、融資することで「貸し出した資金以上のお金を回収する」という意味で投資といえます。

 これらのような事業投資以外に、一般人が行う投資には大きく2つの種類があります。
それが証券投資と不動産投資です。
まずは証券投資の方ですが、こちらは株や債券の銘柄を選んで売買し、配当(インカムゲイン)や売買差益(キャピタルゲイン)を求める投資方法です。
株、債券以外にも、複数の投資家から資金を集めてプロが運用するファンド形式の投資手法もあります。
日本では投資信託として知られるもので、海外では絶対利益を求めて積極的にリスクテイクしていくファンドとして、ヘッジファンドの存在も知られます。
証券とは株式や債券のような、財産の権利を示すもののことで、この証券をやりとりすることで利益を求める投資方法であることから証券投資と言われます。
もっとも一般的な投資のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

 これに対して不動産投資とは、その名の通り賃料収入(インカムゲイン)や物件の売買差益(キャピタルゲイン)を求めて不動産を取引する投資のことです。

証券投資と不動産投資はどう違う?

 あらためて投資には証券投資、不動産投資の大きく2つのものがあります。
そして、投資には3つの特性があります。

  • 1つ目が安全性です。安全性とは投資したお金がちゃんと回収できるか、つまりリスクの高さはどのくらいかというものです。
  • 2つ目が収益性で、その投資対象に投資した場合どれだけのリターンを得ることができるのか、ということです。
  • 3つ目が流動性で、これは現金化するのにどれだけ時間がかかるのかというものです。

これら3つの要素を踏まえて、証券投資と不動産投資の違いを見ていきましょう。

 

安全性

 まず、安全性についての違いです。安全性とはリスクの高さと言い換えることもでき、証券投資の場合、株ならば会社が倒産するリスク、上場廃止するリスク、値下がりリスク、金融政策などによる市場の変動リスクなどがあります。
これに対して不動産投資には、空室リスク、家賃滞納/下落リスク、物件価格の下落リスク、災害リスクなどがあります。
単純比較はできませんが、不動産投資は証券投資に比べれば安全性が高い投資手法です。それがなぜかは後ほど解説します。

 

収益性

 次に収益性についてですが、証券投資も不動産投資も、収益が得られるのはインカムゲインとキャピタルゲインの2つです。
インカムゲインは、証券投資の場合配当で、不動産投資の場合は賃料収入です。
しかし、株や債券で証券投資している多くの投資家は、配当目当てでは投資しません。
いかに売買の差額を大きくして儲けるかを考えています。
これに対して不動産投資は、賃料収入が大きな収益源となります。
もちろん売却時のキャピタルゲインも重要ですが、証券取引とはインカムゲイン/キャピタルゲインに対する考え方に、大きな違いがあるのです。
そのため、これも単純比較はできませんが、証券投資は短期売買で高いリターンを得ることができる可能性がある一方で、大きなマイナスを抱える可能性もあります。
しかし不動産投資は、長期的に賃料収入を得て、短期的な高いリターンを得ることはできなくても、低いリスクで利益を出し続けることができるのです。

 

流動性

 流動性という面では、証券投資と不動産投資には大きな明確な違いがあります。
証券投資の場合、株や債券をネット上で取引するため、現金化しようと思えばすぐにでも現金化できます。
しかし、不動産投資の場合は、それができません。
不動産は売却しようと決めても、それから売却相手を探さなければなりませんし、すぐに見つかっても手間のかかる手続きをしなくては取引が完了しません。売却までに数ヶ月かかることもあります。
不動産投資では、スムーズな取引をサポートしてくれる業者やサービスが今求められていると言えます。

 

付加価値について

 また、これら3つの要素の違いに加えて、不動産投資には「投資対象に自分で付加価値を付けることができる」という特性があります。
たとえば、不動産投資では購入した物件を自分で修繕・リフォームしたり、古民家をリノベーションして売り出したり、広く目にとまるような売り出し方を工夫したり、自分で投資対象に付加価値を付けることができるのです。
これは、証券投資ではできないことです。
このような面では、不動産投資は単純な投資というよりも、企業の行う事業投資にも近い側面を持っていることが分かります。

 このように、証券投資と不動産投資ではいくつもの点で違いがあります。
総合的に言うと、不動産投資は長期安定的に収益を得ることができます。
それは、不動産投資は賃料収入で得られる収益が高く、また賃料や通常1年や2年といった長期間で契約するため、ある程度相場の変動があっても変動はゆるやかであるからです。
空室リスクもありますが、自分で付加価値を付けることができるという特性から、証券投資と違って自分の努力で改善できる面が大きく、それも安定性に貢献します。
 証券投資と不動産投資はどちらがいいということではなく、それぞれに特性があるため戦略的に選んで投資することが重要です。

 

最先端の技術で大きく変化する投資手法

 これからの投資はどのように変化していくのでしょうか。大きな流れとして「金融取引の量的・質的拡大」「テクノロジーの発達」の2つがあります。

 金融取引は量的・質的に拡大していきます。金融技術は日進月歩であり、これまでに市場経済の対象外だったものが、日々商品化され、さらに「証券化」されています。つまり、これまでには金融取引されていなかったものが、これからはどんどん金融取引の対象とされていくということです。投資家は、増え続ける投資対象から、どの投資対象がもっとも高いリターンを生み出すのか、投資比較し続けなければならなくなります。

 さらに、テクノロジーの急速な進化と投資への応用で、投資手法・投資分析の方法は、すでに大きく変わりつつあります。
金融取引の量的・質的拡大、テクノロジーの進化と応用。
投資家には、こうした動きに積極的に対応し、利用していくことが求められていきます。

 

さいごに

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