金融イノベーションビジネスカンファレンス2018
金融イノベーションビジネスカンファレンス(以下、FIBC)は、今回で7回目を迎えるFinTech分野で最も歴史のあるイベントです。
過去6回のピッチコンテストでは国内外の錚々たるFinTechスタートアップ企業が、この場を活用して成長しており、FinTechスタートアップの登竜門と言われています。
2014年には、家計簿アプリと企業会計システムのマネーフォワードが大賞に選ばれ大躍進を遂げています。
FIBCは国内のみならず海外のスタートアップ企業が多数参加することでグローバル市場において活躍の場を広げていくことができます。
また、ブース展示コーナーの開設もあり、大手企業とスタートアップ企業、スタートアップ企業同士が連携を深め、よりイノベーティブなサービス開発及び発信を可能とする場でもあります。
FIBC218 審査員特別賞を受賞した「Gate.」とは
◆新時代の不動産投資プラットフォーム「Gate.(ゲイト)」
ITによる不動産投資環境の再構築を目指すリーウェイズでは、不動産投資として国内初の、人工知能(AI)を活用して投資不動産の将来収益予測を行えるサービスとして「Gate.(ゲイト)」の開発・運営を行っています。
「Gate.(ゲイト)」では、過去10年にわたって独自に収集した5,000万件を超える物件データを扱っています。これまで人間の力では難しかった、広範囲かつ多数に渡る物件の賃料下落や空室率などを瞬時に予測し、国内初となるAIと全期間利回りによる高精度な不動産投資に関する分析をクラウドサービスとして提供しています。
- サービスページ: https://gate.estate/
- リーウェイズ :https://leeways.co.jp/
◆「Gate.」の存在価値
日本の不動産業界は非常に透明性が低いと指摘されており、典型的なレモン市場(※)となっています。その結果不動産業界への信頼性は低く、多くのアンケートで不動産事業者は信用できないと言う結果になっています。
- ※レモン市場:https://channel.gate.estate/archives/9930421413
このような状況を改善し、健全な不動産マーケットとして発展させていくため、日本でも多くのベンチャー企業がReal Estate techに参入しています。
その中でも収益不動産マーケットを中心に、我々の持つノウハウを不動産事業者や金融機関及び投資家に提供することで、収益不動産マーケットのエコシステム構築を目指しています。
サービスリリースから半年と短い期間にもかかわらず、多くの金融機関や、不動産事業者にご活用頂き、好評頂いております。
◆「Gate.」の特徴
我々のサービスの特徴は不動産の収益価値を予測する点です。日本の収益不動産の取引においては「表面利回り」が主な判断材料です。「表面利回り」とは今この瞬間家賃がどの程度取れるのかという指標です。ところが家賃収入は競争環境や経済環境によって大きく変化していくため、同じ表面利回りの物件でも実際の全投資期間中の投資利回りは大きく異なることは明らかです。その全期間の投資採算性を説明できる材料がないのが日本に置ける不動産取引の問題点です。
日本の不動産取引の営業の現場では未だに「表面利回り」と気合と根性が武器となっており、データ分析が全く行われていません。
「表面利回り」しかわからないということは、例えば株式投資においてPERしかわからないというのと全く同じ状況です。これでは安心して投資することはできません。株式投資のように多くの分析指標が、こと不動産取引においては一切ないのが現状です。営業マンの「私の経験を信じてください」という熱意しか判断材料がないのです。
日本の場合、地域ごとに家賃の下落率は大きく異なります。東京だと30年間で28%、大阪だと43%、名古屋だと47%家賃が下落します。この事実は感覚的には皆理解していますが、データが存在していません。
そこで、我々はデータを集めることにしました。2008年よりクローラーを構築し、インターネット上の不動産データを10年間集め続けました。その結果現時点(2018年1月時点)で5800万件の不動産取引データを保有しています。日本の投資不動産の総数は約2400万件ですので、5800万件の取引データによって正確に分析することが可能となります。
我々は日本において業界屈指のデータ保有数をほこり、圧倒的なポジションを有しています。
◆「Gate.」が提供するサービス
膨大なビックデータを解析する人工知能は自社で開発しました。
それで完成したのが弊社サービス「Gate.」です。
一般的な不動産のサイトでは価格と表面利回りしかわかりませんが、「Gate.」では全期間の投資利回りがわかります。
場所ごとに賃料の変化を分析しているからです。この物件では家賃が将来どのように変化するのか、売却益がどの程度見込めるのかを解析して提供することができます。
これによって初めて収益不動産の比較ができるようになります。名古屋で表面利回り12%の物件と代々木で5.6%の物件があった場合、名古屋の物件の方が良いパフォーマンスに見えます。ところが家賃の下落率などが全く異なるので、全期間利回りで見た場合、名古屋の物件は4%、代々木の物件は10%のリターンとなります。
この分析によって不動産投資家のリスクは下がり、不動産事業者や金融機関の査定の精度を向上させることができます。
家賃の下落率や空室率は人口動態や商業発展度合いに依存するので、そのマクロデータを活用することで9割の精度で将来を予測することを可能にしました。
査定したい物件を選択するだけで、人工知能が家賃の下落率を自動計算し、将来の不動産のパフォーマンスを自動的に分析してくれます。
「Gate.」のビジョン
「Gate.」のビジョンは不動産業界のインテルになるということです。皆が利用することでインテルになることができます。私たちは不動産業者にお客様を斡旋できますし、「Gate.」の各種ツールは、不動産事業者や金融機関の査定精度の向上、迅速化を実現させます。
このビジネスモデルを世界展開していくことが我々のゴールです。世界各地の不動産価格は常に変動しています。つまり、今この瞬間に世界の中で最もお買い得な収益不動産を見つけることが可能であれば、不動産取引のグローバル化が加速します。我々は東南アジアや北米のデータ収集を開始しており、世界の不動産の投資採算性が一目でわかるプラットフォームを実現します。