不動産ビッグデータを活用した駅分析 礼金の取りやすい駅はここだ!

中央線御茶ノ水駅の風景
(写真=PIXTA)

 不動産ビッグデータの重要性は増す一方です。
 これまで不動産投資は勘と経験と度胸の世界と言われてきました。しかし、最近ではデータが重視されるようになっています。小売業では勘や経験に頼って仕入れをしていた時代はすでに終わって、いまではPOSシステムなしには効果的な在庫管理はできません。コーチの経験やスカウトの勘に頼ってチーム運営をしてきたスポーツの世界でも、データを駆使して科学的に勝ちにいく戦略に転換しています。ビジネスの世界でもスポーツの世界でも、成功を目指すのであれば、勘や経験だけでなくデータを駆使した戦略が欠かせなくなっています。
 不動産投資でも同じことです。十分なデータにもとづいた意思決定が投資の成功確率を上げることにつながるでしょう。そこで今回は、当社が保有している不動産ビッグデータを用いた駅分析をご紹介します。

礼金の取りやすい駅 東京メトロ東西線沿線

 東京都内なら賃料の1、2か月分が礼金の標準です。しかし、エリアによっては競合の激しさから礼金ゼロをうたう物件もあります。礼金の水準は、大家さんとテナントさんの力関係を測るひとつの目安にもなり、礼金を取りやすい駅は大家さんにとって魅力的な駅といえます。
 東京メトロ東西線の沿線駅の状況は以下のようになっています。

東西線の礼金グラフ

 中野駅から飯田橋の間は大家さんに有利なエリアです。もう少し広く見ると南砂町までは概ね0.8か月分の礼金を受け取れています。
 競争が激しくなって大家さんの立場が弱くなるのが、西葛西から行徳までとなります。このエリアは家賃も手ごろで単身者向けからファミリー向けまで幅広く賃貸物件が供給されていますので、テナントにとっては物件を選びやすいエリアで、大家さんの立場からすると強気の条件設定はしにくいエリアと言えます。

<東京メトロ東西線>
 礼金の取りやすい駅:中野、落合、早稲田、神楽坂
 礼金の取りにくい駅:西葛西、葛西、浦安、行徳

礼金の取りやすい駅 東急田園都市線沿線

 東急田園都市線は渋谷から中央林間までおよそ30kmあり、沿線には人気のスポットが多いのが特徴です。
 東急田園都市線の沿線駅の状況は以下のようになっています。

田園都市線の礼金グラフ

 二子玉川まで、基点の渋谷を離れるほど礼金を取りやすい傾向があります。特に、二子玉川は高島屋もあり住みたい街として人気の高い駅のため、大家さんにとっては有利な条件設定ができそうです。
 たまプラーザ、あざみ野あたりまでは比較的礼金が取りやすく、それ以降は徐々に礼金を取らない物件が増えていきます。

<東急田園都市線>
 礼金の取りやすい駅:用賀、二子玉川、二子新地
 礼金の取りにくい駅:長津田、つくし野、すずかけ台

礼金の取りやすい駅 JR中央・総武線

 最後はJRの中央・総武線です。中央・総武線は東京の西部から千葉県まで、東京を東西に走る路線です。
 JR中央・総武線の沿線駅の状況は以下のようになっています。

中央線の礼金グラフ

 三鷹や吉祥寺といった東京の西側で礼金が取りやすくなっています。秋葉原から東に進むにつれ礼金を取りにくくなり、新小岩、小岩、西船橋、船橋のあたりが最も礼金を取りにくくなっています。 
 JR中央・総武線沿線だけを見ても、不動産マーケットにおける「西高東低」の傾向が確認できます。

<JR中央・総武線>
 礼金の取りやすい駅:三鷹、吉祥寺、荻窪
 礼金の取りにくい駅:新小岩、小岩、下総中山、西船橋、船橋

不動産ビッグデータの活用

 今回、東京メトロ東西線、東急田園都市線、JR中央・総武線の3路線を見ました。これら3路線だけでも駅ごとの傾向をつかむことができたと思います。
 東京の西側は強くて、東側は弱いという漠然とした思いを多くの人が持っているでしょう。不動産ビッグデータ活用の最大のメリットは、その「漠然とした思い」を「ビジュアル化」あるいは「数値化」できるところにあります。また、ビジュアル化、数値化した結果、「漠然とした思い」の見直しが必要になることもあります。

 不動産投資は、これまで勘と経験と度胸の世界でした。勘と経験と度胸を捨て去る必要はありませんが、そこに「データ」を加える必要があります。POSデータで小売業が武装するのと同じように、不動産ビッグデータで投資家が武装する時代がすでに来ているのです。
 

賢い不動産投資を始めよう

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2015年11月9日 7:00 AM カテゴリー: 不動産投資

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