Airbnb・民泊をめぐる最近の規制緩和の動き

Airbnb・民泊をめぐる最近の規制緩和の動き

airbnb物件

 Airbnbが人気です。Airbnbの浸透によって「民泊」という言葉も目にする機会が増えました。
 民泊とは一般の住宅である「民家」に、観光客などを「泊める」ことからできた言葉です。Airbnbの利用やその他の手段による民泊は、一般的には旅館業法との兼ね合いで法的にはあいまいな形態とみられています。

参考記事:Airbnbの運営代行を選ぶときに、絶対に外せない3つのポイントとは?

 日本では主に外国人旅行者が、Airbnbなどを通して民泊を利用しています。訪日旅行者数は2013年に初めて1,000万人を超え、14年には30%増の1,341万人となりました。今年は10月までで1,631万人となり、年間では2,000万人に迫る勢いです。
 日本を訪れる外国人は急増している一方で、現状は、その人たちを受け入れる部屋が圧倒的に不足しています。その状況を受けて政府は、国家戦略特区で訪日外国人の利便性向上につながる規制改革に取り組む方針を打ち出しています。注目すべきは規制改革の目玉として「民泊の拡大」が盛り込まれている事です。
 今回は、2015年11月時点での民泊の規制緩和の動きをまとめました。

首相、「旅館でなくても短期に宿泊できる住居を広げていく」

 今年10月20日に行われた第16回国家戦略特別区域諮問会議において、安倍首相は「日本を訪れる外国の方々の滞在経験を、より便利で快適なものとしていかなければなりません。このため、旅館でなくても短期に宿泊できる住居を広げていく。」と明言しています。
 政府が目指しているのは、外国人観光客の拡大です。少子高齢化が進む日本にあって、訪日外国人の取り込みは国内経済の活性化のためにも外せない政策です。
 自由民主党の「観光立国調査会 観光基盤強化に関する小委員会」において、これまで6回にわたって「民泊を巡る現状と課題について」と題する会議が行われています。第2回の会議(9月25日)には民泊の事業者としてAirbnbが、また、第3回(10月14日)の会議では、民泊の条例化を進める東京都大田区が参加しています。

現状、国家戦略特区での民泊は計画途上

 2014年5月1日に閣議決定された「国家戦略特別区域及び区域方針」で、施設の旅館業法の適用除外が可能になるエリアが示されています。
 東京圏では、東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区及び渋谷区、神奈川県並びに千葉県成田市。
 関西圏では、大阪府、兵庫県および京都府の全域。

 なお、特区に指定されたエリアだからといって、無条件で民泊ビジネスが認められるわけではありません。旅館業法の適用除外を受けるためには、民泊に関する「区域計画」が内閣総理大臣の認定を受ける必要があります。なお、特区の区域計画は、国・地方公共団体・民間の三者から組織される国家戦略特別区域会議において協議・作成されます。
 さらには、民泊を運営したい人は、区域計画が内閣総理大臣の認定を受けた後で、都道府県知事または市区長の認定を受ける必要があります。

東京都大田区の区域計画が認められる

 民泊の規制緩和が最も進んでいるのは、東京都の大田区です。政府は10月14日に開いた東京圏国家戦略特区会議で大田区の特区計画を了承し、区の計画は20日の国家戦略特別区域諮問会議で首相の認定を受けました。大田区は来年1月から民泊営業を行えるように今年中に安全・衛生面などでの細則を定めた条例を制定する予定です。
 規制緩和について、大田区が他の自治体を一歩先行しています。

 大田区の条例案のポイントは以下の3点です。

  ・ 滞在期間は 7日以上
  ・ 大田区に立入調査権を付与
  ・ 事業者に周辺住民に対する周知義務

 大田区は羽田空港に近く、外国人の民泊ニーズを取り込むためにはルールの制定が必要と考えたようです。

国家戦略特区での規制はさらに緩和方向へ

 外国人向けの民泊ビジネスでボトルネックになるのは、最低滞在日数の規制です。
 これまで政府内で、家戦略特区の外国人向けの民泊を営む要件として検討されているのは、主に以下の内容です。

 1. 滞在日数:7日~10日以上
 2. 施設:滞在に適した広さ(原則25㎡以上)、使用前の居室の清潔の保持等
 3. 体制:施設の使用方法に関する外国語を用いた案内のほか、
  緊急時対応、 外国人旅客との契約に基づく役務を提供する体制が確保されていること

 しかし滞在日数が7日以上では、一都市に比較的短期の滞在となる訪日外国人を取り込めないという意見が出ています。また訪日外国人が増えていることで日本人のビジネス出張にも影響が出ています。そのような状況が、安倍首相の「旅館でなくても短期に宿泊できる住居を広げていく」という発言につながっています。

 今後、政府としてはAirbnbを始めとした民泊ビジネスが拡大している現状を踏まえつつ、既存の旅館業者の利害や治安・衛生環境なども考慮して、ルール作りを進めていくものと見込まれます。
 個別具体的なルールは今後の議論で詰まっていく事になりますが、訪日外国人を増やして観光立国を目指すという政府の方向性からは、民泊ビジネスのチャンスは広がる方向にあると考えていいでしょう。
 

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