2016年の不動産市況を占う

2016年占い

 2015年は不動産業界では大きな動向や事件が多くありました。2016年の不動産市況を予測するにあたって、まずは2015年の不動産市場関連動向を振り返ってみましょう。

2015年の不動産業界

 2015年の不動産市場で大きなニュースになり、メディアの注目を集めたのは2つの悪いニュースでした。
 まず『杭打ちデータ改ざん問題、横浜マンション傾斜事件』があります。これはマンションなどの建設するときに必要とされる地盤調査をずさんに行なっていたことが明らかになった事件です。杭打ちデータが流用・改ざんされる行為が一部で慣習化されており、この事件は一時的・突発的なものではなく、建築業界の構造に原因がある根深い問題であることが分かりました。この問題は不動産関連業界全体に大きな影響を与えており、まだ根本的な解決には至っていません。

 また『囲い込み問題』もありました。「週刊ダイヤモンド」に、不動産仲介業者による囲い込みが告発された事件です。仲介業者が両手仲介で利益を出すために、他者からの物件照会に応じず、囲い込みしていたという事件です。これも多くの仲介業者が行なっており、物件の売主は機会損失を被っていたことが分かりました。仲介業者と一般の売主・買主には、どうしても情報の非対称性が存在します。売主・買主は業者を信頼して取引するのですが、それを逆手に取って利益を得ていたことから、多くの不動産投資家から批判されました。

 しかし悪いニュースだけではありません。不動産業界に大きな影響を与えることが予想される新たなサービス・ビジネスの拡大もありました。例えばAirbnbの普及・拡大があります。欧米を中心に世界的に普及しているAirbnbですが、日本でも普及し始めています。しかし法律上は、民泊はグレーな状況であり不安要素が残っています。しかし一方では、日本政府は民泊の規制緩和を検討しています。今後の法整備や利用環境が整備されれば、より大きな市場となっていくことが予想されます。

2015年の不動産市場

 2015年の上期はマンションの売れ行きは好調でした。相続税の改正が適用されたことによって高額物件の需要が高まったのが2015年の特徴です。そして、不動産投資家がもっとも注目したのが、不動産価格の高騰ではないでしょうか。不動産価格は、アベノミクスや景気の改善から大きく伸び続けました。高騰の要因としては東京オリンピックに向けての価格上昇や円安による外国人投資家の参入などもあります。

 しかし下半期に入ると不動産市況は減速気味になりました。不動産価格の上昇から流通する物件の価格は上昇しますが、購入者の収入は増加していないため、一般的な層にとっては物件購入の負担が大きくなってしまったのです。また国税庁は相続税対策として高額のタワーマンションを購入する行為に対して、監視を強化する方針を発表しました。法制度が変わったわけではありませんが、相続税対策として購入する層の動きは鈍化しています。

2016年の不動産市況を占う

 それでは2016年の不動産市況はどのような動きがあるのか、以下のような予測をしてみました。

■ 高額マンションの需給
 近年は外国人不動産投資家による日本の不動産市場への参入が注目されています。背景には日本の景気の改善、2020年オリンピックに向けての不動産価格の上昇予測、円安効果などがあります。しかし外国人投資家による不動産の購入は高額物件よりも、比較的低価格の物件が多くなっています。
 また高層マンションの建設コストが上昇しているため、高額マンションの建築、供給は減少することが予測されます。タワーマンション節税の監視強化の影響もあり、高額マンションのマーケットは横ばいになると考えられます。

■ 首都圏の不動産市場の動向と地方の動向
 首都圏、近畿圏のマンション市場はどうでしょうか。2015年は首都圏のマンション供給は8.3%減少しました。これは不動産価格の上昇が原因と見られます。首都圏のマンション発売の動向を詳しく見てみましょう。

 首都圏のマンションは2012年は2.5%増、2013年は23.8%増と増加傾向にありましたが、2014年はマイナス20.5%、2015年はマイナス8.3%と減少傾向にあります。また不動産価格の動向を見ると、2012年は4540万円だったのが、2014年には5060万円と5000万円の大台を超え、2015年には5529万円になっています。不動産価格は長期的に見て上昇傾向にあるのです。都心に限定すると7000万円近くにもなっています。
 しかし、高額マンションは今後需要が減少することが考えられ、不動産販売数の減少幅は小さくなってきています。またマンションの着工数を見ると、2012年に2.4%増だったのが、2013年はマイナス1.2%、2014年にはマイナス10.4%と減少傾向にありましたが、2015年は6.3%増と盛り返しています。2016年〜2017年ぐらいまでは、着工数もプラスに転じるのではないかと考えられます。つまり供給も伸びる可能性があります。これらのことから一般向けの不動産需要は増加し、不動産供給もゆるやかに伸びるため、不動産価格の上昇は落ち着くのではないかと予測されます。

■ 地方都市の2016年の不動産市況
 北海道や仙台、名古屋、大阪、福岡などの地方都市では、オフィスビルの供給不足が深刻化しており、2016年においてもそれは継続すると考えられます。背景には企業収益の改善があります。収益の改善に伴ってオフィスの需要は拡大していますが、それに対して供給が追いついておらず、その結果供給不足になっているのです。供給不足は不動産価格の上昇につながっています。供給不足からの不動産価格の上昇は、2016年にもつながるでしょう。

■ 金融市場の動向
 2015年は日銀の追加緩和によって金融市場が潤いました。株式市場は日経平均株価が2万円台の大台を超えた時期もあり、また為替市場にも大きな影響が与えられ、2015年末時点では120円台の円安になっています。日本人が海外製品を買う上では負担が大きくなってしまいますが、外国人投資家が日本国内の市場に参入することで、国内のお金が増大する結果となっています。
 しかし追加緩和を行っても日銀の目標である2%のインフレ率にはまだ遠く、2016年にも追加緩和が行われる可能性があります。そうなればまずます金融市場および不動産市場にお金が流れ込み、不動産投資家にとっては資金調達環境が良好となるでしょう。

2016年の不動産市況は好調になる?

 ここまでをまとめると、2016年の不動産市況は米国の利上げや中国の経済などいくつか気にかけるべき点もあるものの、全体として2015年よりも投資のしやすい環境になるのではないかと考えられます。しかし首都圏と地方、オフィスビルとマンションなどマーケットごとに動きは異なりますので、リアルタイムで情報収集し続けることが重要です。

 

賢い不動産投資を始めよう

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2016年1月22日 8:00 AM カテゴリー: 不動産市況, 投資分析

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