日本永住を狙う中国人と不動産投資

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 皆様こんにちは。Leewaysサイトでは初の投稿です。私、鈴木学(Manachan)は、日本をはじめアジア、豪州、北米、欧州で収益不動産を所有する実践型の投資家です。また、長年の海外在住経験と、英語・中国語の能力を活かして、海外から日本不動産を買いに来る投資家のサポートも事業として行っています。

  今回からは「外国人(特に中華圏)個人投資家の日本不動産買いの動向」がテーマです。ビジネスに役立つ実践的な情報提供を心掛けますので、よろしくお願いします。

 世界の不動産ビジネスで使われる言語は圧倒的に「英語」が優位ですが、ここ日本においては、地理的に近い「中華圏」の比重が高く、投資家と情報のやり取りには、「中国語」が「英語」とほぼ同等か、それ以上の地位を占めているように感じます。

 東京でも大阪、福岡、札幌でも、これから海外の投資家を相手にしていこうとする不動産会社が初めにやることは、大手、中小を問わず、大抵は「中国語人材の採用」です。東京都心部で英米圏駐在員向けのビジネスをしていれば英語だけでOKでしょうが、それ以外は結局、「中国語」を無視できません。

 中華圏投資家にも、いろいろな方がいます。ビジネスで、比較的敷居の低いとされるのが台湾、香港、シンガポールの投資家。彼らは、90日間までならビザ免除で日本に滞在できるので、物件内見のアレンジもできますし、また物件代金を送金する上での規制も厳しくありません。

ビザ免除国・地域(短期滞在)

 一方で、難易度の高いとされるのが中国大陸の人々。彼らに日本の不動産を売る上で、必ず直面するのが「ビザ」と「送金」の問題です。

「ビザ」…中国人が日本に入国する際はビザが必要だが、取得は難しい。ビザが取れなければ来日もできず、物件の内見さえ不可能。

「送金」…中国内で得た人民元の収入を個人で外貨両替する場合は、一人当たり年間合計5万米ドル以下に制限される。日本の物件価格がそれ以上する場合、送金手段を考えなければならない。

 今回の記事では、「ビザ」に焦点を当てて書いてみます。

日本への移住を希望する隣国の人は多い。「日本永住権」は憧れの的

在留カード

 中国人富裕層の間では、欧米先進国や日本への移住を希望する人が実に多い。彼らがそれらの国で不動産を買う主な動機の一つが「永住ビザの取得」です。

 かつては、アメリカやカナダ、豪州で、「高額な不動産を買えば永住相当のビザが得られる」制度が存在し、中国人バイヤーが殺到した時期もありました。今ではずいぶん敷居が高くなりましたが。

 日本の場合、永住ビザの条件は厳しく「日本に合法なビザで滞在して、連続して10年」を経ないと申請ができません(※高度な技能を持つ申請者の場合は、5年や3年でOK)。つまり、高額な不動産を買っただけでは永住権は取れないのです。

 それでも日本で永住したい場合はどうするか?たとえば、「投資経営ビザを取り、何回か更新して永住を目指す」のが、審査は厳しいが確実性の高い方法の一つとされます。

 投資経営ビザとは「起業家・経営者ビザ」と言い換えて良いでしょう。中国人が日本で会社を設立して、その事業資金として500万円以上を準備するか、或いは日本ですでに稼働している企業に経営者として招聘されれば、当ビザの申請ができます。

 私は中国人に投資経営ビザの取得をサポートして成功した実績が3件あります。その経験から言うと取得自体はそう難しくありませんが、更新するのが難しい。その最低条件として、

・ 日本で生活するのに十分な給料を、自分の会社から得ていること 

 その目安は、家族構成にもよりますが、夫婦の場合、月額25万円以上が大体の足切りポイントになります。年額だと300万円。その給料を捻出するのに、売上をいくら必要かを考えると、日本語の不自由な中国人申請者にとって、かなりハードルの高い話になります。

 そこで淘汰のプロセスがはたらきます。事業利益をコンスタントに上げ続けた者だけが、投資経営ビザを「1年間」または「3年間」更新を続け、10年経過した後に晴れて永住ビザを申請できるのです。

 とはいえ、事業の売上は「不動産の賃貸収入」からあげても構いません。仮に「月額25万円の家賃収入が見込める日本の物件」を中国人に買っていただき、同時に投資経営ビザを申請すれば、その後ビザを更新する上での最低基準は「家賃収入」だけで賄える。仮に事業が首尾よくいかなくても大赤字さえ出さなければほぼ自動的に更新を続けられる計算になります。

 月額25万円(年300万円)の家賃、都内でNET利回り5%として、単純計算で6000万円の収益物件を買っていただければ達成できます。今の為替レートだと、人民元310万持ってきていただければOK。上海や北京の中心部近くでアパートを売却すれば、それ位の現金を用意できる方は多いはずです。

 投資経営ビザ以外では、「日本人の配偶者ビザ」や、「就労ビザ」で滞在する人が多いようです。前者は日本人ないし日本永住者との結婚、後者は日本の企業での雇用が前提です。投資経営ビザに比べて取得の難易度は低いですが、離婚や解雇になればアウトです。近年、日本政府はビザ規制を緩める傾向にあるようです。たとえば、

高技能外国人、在留3年で永住権 改正入管法が成立(2014/6/11)
政府、外国人富裕層ビザ見直し 最大1年滞在(2013/12/3) 

 これらの政策が、中国人富裕層の日本不動産購入に大きく影響していくことでしょう。次回以降は、「送金」規制や、「中国人とのビジネストラブル」について書いていきます。お楽しみに。

(不動産投資家 鈴木学)

賢い不動産投資を始めよう

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2015年1月20日 10:35 AM カテゴリー: 不動産投資

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