国内不動産と海外不動産、投資の正しい選択とは

国内不動産と海外不動産、投資の正しい選択とは

不動産
(写真=Thinkstock/Getty Images)

盛り上がりを見せる海外不動産投資

 ここ数年、海外不動産投資を検討する方が多くなったという印象があります。特に顕著だったのは円高のピークだった2010年ごろでしょう。

 それまでにもあったアメリカの不動産投資だけでなく、成長性が見込める東南アジアなどの不動産投資に関する記事や広告、書籍などが目立つようになってきました。グーグルトレンドでの検索の推移を見ると、2005年当時はほぼアメリカ不動産しか検索されていなかったものが、2008年ごろからタイ不動産の検索が目立ち始め、オーストラリア、マレーシア、フィリピンが検索されるようになってきた傾向が見られます。

スクリーンショット 2015-04-14 16.32.52

 世界の不動産で、日本人にとって最も投資しやすい国はおそらくアメリカではないでしょうか。きちんと法整備されており、投資家の所有権利がしっかりと守られています。それに対してオーストラリアでは新築物件かリゾート物件の購入しかできません。

 そんな中、アメリカやオーストラリアと比べて価格上昇幅が大きいと期待されるマーケットが東南アジア諸国です。

 東南アジアの中で、外国人による土地の所有権が認められている国はマレーシアしかなく、

 50万リンギット(20152月現在で約1,650万円)以上の不動産に制限されています。東南アジアの主要国のうち外国人によるコンドミニアムの所有権が認められている国は、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、カンボジアの5カ国です。タイは在留外国人の中で日本人が最も多く、リタイア先として人気のある国ですが、近年は不動産価格が高騰してきています。マレーシアやシンガポールの価格はタイ以上に高騰しているため、昨年ごろからフィリピンやカンボジアの不動産を薦める不動産ブローカーが増えてきています。

東南アジアの不動産投資の懸念点

 東南アジアの不動産ブローカーは投資家に海外不動産の魅力を話す時、人口の増加と経済発展を例にあげることが多いようです。対して日本は人口減少経済なので将来的に不動産需要が減ることをデメリットとして説明します。

 しかし、不動産ブローカーが薦める「地域」の人口増加が担保できるかどうかは定かではありません。これから土木事業やインフラ整備をし、都市開発を進める新興国の各エリアが、期待通りに経済発展するかどうかはまったく未知数なのが実情です。日本においても多摩ニュータウンやチバリーヒルズの例に見られるように、大規模開発にもかかわらず、マーケットとして衰退してしまう地域があることを我々は知っています。人口ボーナスが期待できるという誘い文句の中、きちんとした住宅需要を確保できるほどのマーケットが東南アジアの主要国にあるかどうかは残念ながら疑問といえるでしょう。 

 例えばマレーシアの巨大都市開発プロジェクト「イスカンダル計画」は、シンガポールに隣接するため需要が多いと、日本でも盛んにプロモーションされていました。

 ところがシンガポール人にとっては、現地は治安や交通の便が悪く住みたくない街であり、マレーシア人にとっては、高すぎて住めない街というのが本音のようです。結果、中国人や韓国人、日本人の投資家が投資目的で購入するだけのゴーストタウン化が懸念されているのです。

 仮にその地域が発展したとしても、東南アジアの建築の質自体がまだまだ低く、日本のように数十年の寿命が期待できる物件は皆無に近いです。経済発展の時まで物件寿命が持ちません。以前、姉歯物件の耐震偽装が日本で問題になりましたが、日本の不動産の建築強度のレベルを10とすると姉歯物件の強度レベルは78、東南アジアの強度レベルは45程度のようです。

 実際に10年経つと、ほとんどの物件はボロボロになってしまい天井などが落ちてくる物件も珍しくありません。ちなみに姉歯物件は2015年現在、1件も倒壊していないそうです。

最初の投資は日本の不動産にする理由

 以上の状況からも不動産投資に慣れていないのなら、まずは日本の不動産をおすすめします。その理由として第一に、人口が減少する日本においては、確実に人口が流入する地域がはっきりしているからです。それは大都市圏です。人口が減るマーケットだからこそ、増える地域を狙った確実な投資が可能となるのです。

 特に東京のマーケットは世界最大の人口ボリュームを誇る市場です。人口減少をデメリットとして海外不動産投資を選ぶのであれば、人口が安定する東京を選べば問題がないことになります。むしろ土地勘もなく、将来その地域が発展するかどうかが不確実な海外不動産への投資は賢明な選択ではないといえるでしょう。

 次に、日本人が最も借り入れをしやすいのはやっぱり日本です。不動産投資の効率をあげるためには、ローンをうまく活用してレバレッジをあげることが重要になりますが、もし利回り6%の日本の物件を金利2%、LTV80%くらいで回せれば利回りは22%となります。これは相当高い投資効率といえるでしょう。

 仮に東南アジア諸国の不動産投資が利回り10%や15%であっても、借り入れがしにくく、もしできたとしても非常に高金利なので、利回りでいえば圧倒的に日本の方がよくなります。さらに為替リスクを考慮すれば5%や10%の利益は簡単に飛んでしまうため、リスクは相当高いといえます。

 日本に不動産を所有すれば、リフォームローンなどを低金利で引っ張ることも可能です。東南アジアの不動産市場は、今かなり加熱気味といえるでしょう。日本で不動産投資をした上で、低金利ローンを引っ張れるようになってからが、海外不動産を検討するタイミングではないでしょうか。

不動産投資カテゴリの最新記事