売り時なのに買い時?不動産投資のカラクリ

不動産投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

都市圏での不動産価格が上昇中

 国土交通省が発表した201511日時点の公示地価では、三大都市圏は2年連続で上昇し、大都市の中心部では2桁上昇の地点が続出すると報告された。

 大都市圏は低金利や住宅ローン減税の効果によって住宅地上昇の動きが広がっている。大阪圏・名古屋圏は6割、そのほか、地方中核都市(札幌、仙台、広島、福岡)では8割近くの地点が上昇する結果となった。全国平均では、住宅地は0.4%の下落だったものの、商業地は7年ぶりに下げ止まった。

 一部のアナリストは、2014年の公示地価の伸びよりも2015年の伸びが若干鈍化している原因に消費増税の影響で上昇に歯止めがかかっていると分析しているが、そもそも公示地価の算定のプロセスを理解していない。不動産鑑定士であれば知っている事実だが、公示地価は例年10月頃には算定作業がほぼ終了し11月、12月は微調整の期間となっている。

 今回は消費税の増税により取引件数の落ち込みが予想されていたなか、不動産鑑定士の共通認識として、昨年よりも伸びを抑えた鑑定にするという方針のもとで算定作業が行われている。ところが1031日に黒田総裁が追加の金融緩和を発表したことにより、不動産取引が活発化し、不動産鑑定士の予想を超えた価格上昇が年末に起こった。実際の年末の取引上昇ベースを勘案すると不動産鑑定士としてもう少し上昇幅を大きく査定すべきだったという声もでている。

 以下の図は不動産業者の情報交換システム・レインズから過去6年の中古マンションにおける成約価格に対する平米単価の推移をグラフにしたものだが、201212月より成約平米単価が右肩上がりで上昇している傾向が確認できる。具体的には過去2年の間に約17%成約平米単価が上昇している。

スクリーンショット 2015-04-22 17.17.44

不動産の売り時、でも買い時の訳

 不動産投資においては、売却は投資成績を大きく左右する要因だ。成約価格が上昇している今は、間違いなく売り手にとって有利なマーケットと言える。少なくともレインズのデータからは、6年以内かつ2年以上前に不動産を購入したケースであれば2割近く高い価格で売却できる可能性があるということが確認できる。56年では経年によりおよそ7%程度価格が下落するが、それを差し引いても1割以上の売却益を確保することができる。

 売り手市場ということは、もちろん買い手にとっては取得価格があがるので投資効率が下がる。ところが今は買い手にとっても買い時といえるタイミングなのだ。調達金利が低く有利な条件で投資物件の借り入れができる環境になっているためだ。

 確かに2009年や2010年頃に不動産を購入していれば底値に近い形で投資をできるので、前述した通りキャピタルゲインを狙い安い投資が実現できた。ただし当時は金融機関が不動産投資のリスクを高くみつもっていたため、借り入れをすることが非常に困難でもあった。

 いうまでもなく不動産投資は借入によってレバレッジを効かせることで投資効率を上げることができる投資手法だ。

 2009年当時に自己資金800万円で手取り利回り10%の投資不動産を購入した場合のリターンは80万円になる。借り入れができないのでレバレッジ効果はゼロだ。ところが今は不動産投資の借り入れが非常にしやすい環境になっている。例えば同じ物件で今2割価格が上昇しているとすると1000万円で購入する必要があるが、90%借り入れをした場合の投資効率を見てみよう。下の図にあるように自己資金100万円で金利2.5%借入期間30年で投資をした場合、ローン返済額を除いた収入は37.4万円となるが、自己資金に対する利回りは37.4%となり、現金購入時の約3.7倍の投資効率を達成することができる。これがレバレッジ効果だ。仮に800万円もっていた投資家であれば100万円の頭金で8物件投資できるわけだから、インカムゲインは8件で299万円に達する。今はこうしたレバレッジを効かせることで投資効率を上げられるという意味で、投資家にとっては買い時ともいえるのだ。

 他の投資とは異なり、売り時だからといって買い時でないとは限らないのが不動産投資の奥深い点である。

スクリーンショット 2015-04-22 17.18.20

賢い不動産投資を始めよう

賢い不動産投資を始めよう

2015年4月24日 12:00 PM カテゴリー: 不動産投資

関連記事