J-REIT投資 配当利回り以外に知っておくべき3つの指標(1) P/NAV

J-REIT
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 J-REITが注目を浴びています。20019月に2銘柄でスタートしたJ-REITは、20152月には50銘柄まで増加し、着実に成長しています。

 J-REITは配当利回りの高さが魅力です。3月時点では、J-REIT全体の配当利回りはおおむね3%台です。投資家にとって、配当利回りの高さは銘柄選択で外せないポイントでしょう。

 今回から3回にわたって、J-REITの銘柄選択のヒントを説明します。配当利回りは多くの方が気にするポイントですので、配当利回り以外で知っておくべき指標を説明します。

NAVNet Asset Value)純資産価値

 Net Asset ValueNAV:ナブ)は、J-REITの純資産価値に着目する指標です。まず、J-REITの貸借対照表を簡略化した図を見てみましょう。

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(出典:不動産証券化協会 基礎から学ぶJリート)

 資産側は、ほとんどが実物不動産や不動産の受益証券です。J-REITの資産運用会社は不動産からの収益をなるべく多く獲得したいという思いがあるため、資産に現預金はあまり持ちません。主なJ-REIT銘柄の不動産組み入れ比率(総資産に占める不動産の割合)は以下の通りです。

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 オフィス、商業施設、住居(マンション)、物流施設を主な投資対象とする銘柄から、時価総額の大きな2銘柄を選びました。どの銘柄も、不動産の組み入れ比率が90%を超えています。

 NAVは不動産の価値に着目した投資指標です。時価評価した保有する不動産から負債を引き、時価ベースの純資産を計算したものがNAVです。

NAVの計算方法

 NAVの算出式は以下です。

NAV=時価資産-時価負債

 ポイントは資産と負債を時価で評価し直すことです。

 不動産を時価で評価し直すのは容易でないこともあり、決算ごとに公表される不動産鑑定評価額を時価の代替とすることが一般的です。また、負債の時価は簿価をそのまま用いるケースが多いです。

 鑑定評価額を時価とみなして計算したのが以下の表です。なお、株価と比較するため、1口当たりのNAVにしています。

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株価とNAVを比較する P/NAV

 NAVは、保有している不動産をすべて鑑定評価額で売れたと仮定した場合、投資家が手にできる価値です(手数料等は考慮せず)。またはREITの解散価値と考えることもできます。

 投資家はJ-REITに投資する場合、解散価値ではなく、継続企業としてREITを評価しますし、証券取引所で取引できるという流動性の高さに価値を見出すため、通常は解散価値以上の株価が付きます。つまり、NAVよりも株価の方が高いのが一般的な姿です。

 株価/NAVの指標は、P/NAV(ピー・ナブ)とも呼ばれ、株価とNAVの比率です。

 金融不安などで株式市場が悲観に見舞われると、株価はNAVを下回るようになり、逆に、景気が良く将来の利益成長期待が高い局面では、株価はNAVを大きく上回ることがあります。

 P/NAV1.0を下回る場合は、株式市場が不動産市場を悲観的に見ており、P/NAV1.0を大きく上回るのは株式市場が不動産市場を楽観視していると言えます。

 また、P/NAVを銘柄ごとに比較することで、銘柄間の相対的な割安・割高がわかります。6銘柄の例では、相対的に見て、日本プロロジスリートが割高、日本ロジスティクスファンドが割安と判断できます。

 J-REITで銘柄選択をする際は、不動産価値に着目したNAVも活用してはいかがでしょう。

賢い不動産投資を始めよう

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2015年5月7日 7:51 PM カテゴリー: REIT

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