アメリカ最新売買事例について

アメリカ不動産
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 ニッケイ・グローバル(NIKKEI GLOBAL INC.)、Director of Real Estate の小嶋です。今回から最新のアメリカ不動産市場についての情報などを寄稿させていただきます。

 その初回にあたりアメリカ市場の概要から入るのではなく、最新の取引事例をご紹介することがリアルで有益な情報になるのではと考えました。そこで、直近の売買事例をご紹介させていただきます。

ラスベガス22室の木造中古アパートを購入した事例(都内不動産会社オーナー様 20153月)

 ネバダ州ラスベガス市は、周辺人口含め200万人の都市に年間4,000万人の観光客・ビジネスコンベンション客などアメリカ全土だけでなく世界中から訪れることで大変活気がある街です。州税と市税がないことで全米の富裕層から注目され、多くの企業の本社や富裕層の主たる住居がラスベガスに構えられています。

 また、温暖な気候に恵まれ天災も少ないことから、ベビーブーマー世代を含め多くのアメリカ人がラスベガスに移り住んでいます。

 不動産価格は、全米の中間価格とほぼ同じで手頃な価格帯です。また、不動産マーケットはアップダウンが激しいのも特徴です。

 今回のお客様は、そのラスベガスのメイン通りから北に車で13分、距離にして4.3マイル(約6.2キロメートル)の場所に建つ1962年築(築53年)の中古アパートを、法人名義で融資を利用して購入いただきました。

 価格は、1235,000ドル。建物面積1,188平方メートル・土地面積1,821平方メートルの2階建て木造アパートです。2ベッドルーム(72平方メートル)が8ユニット、1ベッドルーム(45平方メートル)が12ユニット、ステュディオ(36平方メートル)が2室の計22室。1室あたりの平均賃料は約614ドル。海外での不動産事業展開を視野に入れての購入です。今回、築22年以上の木造中古アパートを米国に購入しましたので、日本の税法上4年間で減価償却が可能です。

 この事業会社様は、日本法人の支店をカリフォルニア州に登記し、その支店名義でロサンゼルスの米国銀行から自己資金40%でアパートローンを60%取得しました。

 今回融資を利用した銀行では、支店登記を行い米国の法人納税者番号(EIN番号)がないと融資が受けられないため、手続きが完了し融資が実行されるまでに60日以上の長い時間が掛かりました。通常の取引では売主側がそこまで待ってくれることは稀だと思いますので、この売買は幸運が重なり良い取引ができた事例です。

 このアパートは、表面利回り12.33%、ネット利回り7.01%とインカム面でも魅力的なだけでなく、退役軍人用アパートとして政府が一括で借り上げてくれています。つまり、22室から1枚ずつチェックを毎月もらうという家賃管理業務の手間が掛からないだけでなく、空室リスクもない、そしてチェック1枚ですべての家賃が入金される大変魅力的な物件です。

 内装は数年前にリモデルされていますが、任意の建物検査で見つかった要修繕項目が数十カ所におよんだため、修繕見積額は15,000ドルと予測されました。アメリカの不動産の場合は、このような修理に関して売主と買主どちら側が負担するかといった交渉は買主側がすることになります。

 今回の修繕項目は、すべて売主側の費用負担で決着できました。当初の販売価格129万ドルから55,000ドルの値引きを得た上で、さらに15,000ドルを実質値引きしてもらったかたちです。このように交渉次第で合計7万ドルも違ってきます。

 現在のラスベガス市場では、物件の争奪戦が繰り広げられ利回りも低下傾向にありますが、引き続きこのようなユニークな取引事例をご紹介できるよう日々活動していきます。次の報告を楽しみにしていてください。

NIKKEI GLOBAL INC., Director of Real Estate 小嶋 啓一)

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2015年5月12日 5:45 PM カテゴリー: 不動産投資

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