長期旅行者に貸し出す「不動産経営の新スタイル」

長期旅行者に貸し出す「不動産経営の新スタイル」

不動産経営
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 不動産を空間的、時間的に分割することによって、従来にはない利用方法が生まれる。例えば、オフィスを空間的に分割することでサービスオフィスになり、月極駐車場を時間的に分割することで時間貸し駐車場に様変わりする。同様の考え方をすれば、賃貸マンションを時間的に分割した場合、従来はない不動産経営が可能になる。今回は、賃貸マンションを長期旅行者に貸し出す不動産経営について、その動向を探ってみることにする。

代表的なのはサービスアパートメント

 ショートステイというニーズは昔からある。特に外国人を中心とした長期出張者を対象として、室内に家電や生活用品が備え付けられ、電気・水道代などが賃料に含まれるサービスアパートメントがその受け皿になっている。外国人長期出張者が多い東京都港区周辺には、サービスアパートメントが数多くある。サービスアパートメントの滞在期間は1か月以上が多い為、入居者とは定期借家契約を締結することになる。サービスアパートメントは旅館業を取得しているホテルではないので、宿泊料ではなく賃料として支払をしてもらう。普通借家契約では、契約期間が1年未満の場合は期間の定めのない契約となってしまうが、定期借家契約は契約期間が短くても有効な為、ショートステイには最適なのだ。

旅館業との線引きは意外と厳しい

 またサービスアパートメントは形態が旅館業に該当してしまうと営業許可の取得が必要となってしまうため、事前に管轄の保健所と要件を確認した上で営業する必要がある。この保健所の見解というのは、地元事情が反映され、例えば外国人犯罪率の高いエリアであれば、サービスアパートメントを快く受け入れない傾向があり、保健所の求める要件が厳しくなる。リネンサービスの形態によっては旅館業と見なされ、サービスアパートメントの営業が難しいエリアもある。

シェアハウスでもショートステイは増えている

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