投資物件の自主管理はオトク?意外とタイヘン?「自主管理あるある」

不動産トラブル(写真=Thinkstock/Getty Images)

物件の利回りを高めるなら「自主管理」

 不動産投資において利回りを確実に高める方法のひとつに「所有物件の自主管理」がある。不動産会社に物件管理を依頼した場合、首都圏のマンションでは一般的に賃料の3〜5%の管理料を支払うのが平均値だろう。

 区分所有で賃料が月10万円、5%設定なら「月々5千円・年間6万円」が管理料となる。1棟物件で賃料が月100万円、3%設定では「月々3万円・年間36万円」が管理料だ。

 自主管理すれば、この管理料を削減できると共に、各種業務の手数料もカットすることが可能だ。不動産会社に物件管理を依頼した場合は、修繕・清掃・保守点検などを請け負う各種業者から出てきた見積りに、手数料を加算してオーナーに請求されることも多く、長期的にみるとこのコストは大きな負担となる。手数料割合は各社ブラックボックスになっているため一概には言えないが、修繕をした場合、数十%の手数料が加算されているともいわれる。

 自主管理にはこういった費用を削減できるメリットがある一方で、素人が管理することでさまざまなトラブルを招くリスクもある。よくあるトラブルパターンを把握しておくことで、スムーズな自主管理をめざしたい。

 対応が難しい家賃滞納トラブル自主管理の場合、入居者との家賃のやり取りは直接行うことになる。各金融機関の自動送金サービスを利用すれば、個人間でも家賃の口座引き落としは可能だ。また、毎月入居者に指定口座へ入金してもらうこともできる。

 問題は家賃滞納が発生した場合だ。最も避けたいトラブルだが、賃貸物件では最も頻発する問題でもある。高圧的に支払いを催促しすぎて入居者との連絡が途絶えてしまうこともあるし、逆に弱腰になることで、滞納が長期化、慢性化することもある。この部分のさじ加減は難しい。

【あるある其の一】滞納を見過ごしてしまう

 家賃滞納は発生した時点で早めの対応が重要とよくいわれるが、複数物件や1棟物件を経営しているオーナーは、記録を怠ってしまうことで滞納を見過ごしたり、長期滞納を招くこともある。そこで検討したいのが、家賃代行サービスだ。代行会社を利用すれば、オーナーに代わって家賃の回収を行い、滞納が発生した時には督促をしてくれるため、こういった自身でのトラブル対応はなくなる。代行会社のなかには、物件を借り上げ家賃保証するサービスを業務にしているところもあり、利用することで空室リスクをなくすことができる。

【あるある其のニ】メンテナンスを先延ばしにしてしまう

 水漏れや雨漏りなど緊急を要するトラブル対応に時間がかかり、物件に大きなダメージを与えてしまうのも物件管理の素人にありがちだ。自主管理をするなら、入居者からの連絡には24時間対応するスタンスが基本となる。緊急時には、数時間の差で被害が大きく変わる。旅行中など不在時でもスムーズにトラブル対応できるよう、携帯電話の各種業者の連絡先登録は必須である。

 緊急を要さない修繕などにおいても、対応を先延ばしにしてしまうことで入居者から不振を招き、客離れ(解約)につながるケースもよくある。本来、自主管理をすることで利回りを高め、その利益の一部で物件の質を向上させて空室リスクを防ぐというのが目的なのに、管理の質が低下し空室リスクが高まってしまえば、逆に利回りが低下しかねない。

【あるある其の三】業者に管理を丸投げで入居者満足度が低下

 業者に管理を完全丸投げしてしまうことで、入居者満足度を落とすのもよくあるパターンだ。1棟物件を経営している場合は、清掃の管理もオーナーの責任になってくる。物件に実際に足を運び、きめ細かに清掃されているか自身の目でチェックし、問題があれば業者に改善を要請しなければならない。

 あわせて防災などの定期点検やメンテナンスも管理していく必要がある。点検に不備があれば火災時などに大きな被害と損益につながる。信頼できる業者を選ぶと共に、報告書に細かく目を通し、疑問点や不備があればすぐに確認する習慣をつけたい。細かいオーナーだと印象づければ、業者と緊張感のある関係を築きやすい。

【あるある其の四】趣味で実施したリフォームが「選ばれない部屋」に生まれ変わる

 自主管理をするオーナーのなかには、趣味の延長で気軽にDIYリフォームをする人もいるが慎重に検討すべきだろう。たとえば、自分の好みで壁紙を選んだり、トイレの便座を木製のものに替えたり、部屋の世界観に合わない棚を設置したりすることで、気づかないうちに「選ばれない部屋」になってしまい、空室につながる。リフォームは、最近の入居者ニーズをよくリサーチした上で検討・実施すべきである。

メリットとデメリットを検討してかしこく判断

 こうしてトラブルポイントを並べると、自主管理は難しいように思われるが、実際には、家賃管理はルーティンで行うことができ、また、必要な時に各種業者に連絡をとるだけなので難しいことではない。その一方で、物件にこまめに足を運び確認する手間が求められ、入居者からの緊急連絡時に備え、旅行中などでも24時間、携帯電話を手離すことができないなどの負担もある。異なるエリアに複数物件を経営しているオーナーや、自宅から遠方地に物件を所有しているオーナーには大きな負担となる。この負担と節約できるコストを比較した上で、「自主管理」と「不動産会社に管理を代行」のどちらがベストかを判断するのがよいだろう。

賢い不動産投資を始めよう

賢い不動産投資を始めよう

2015年2月18日 5:38 PM カテゴリー: 不動産投資

関連記事