新宿駅周辺(徒歩15分圏内)の賃貸市場を見ていきましょう。下記の分布図は新宿駅周辺15分圏内の賃貸物件の㎡単価を築年別に表したものです。
駅を挟み、東側は主に商業エリア、西側は主にビジネスエリアと街の表情が異なります。西エリア(※分布図「青」マーカー)は、東と比べて単身者向け賃貸マンションが多く、築年ごとに万遍なく物件があり、比較的安定して賃貸物件が供給されています。一方東エリア(※分布図「赤」マーカー)は、商業施設が多いため物件数自体が少なく、築年数を見ると築30~40年と築10年前後に集中しています。
新宿駅の賃料相場は4,028円と23区平均より1平米あたり約689円高く、最頻値を見ても23区平均よりも高い数値を示していることから、新宿駅は賃料水準の高いエリアであることがわかります。
エリア別 平米賃料単価/築年数 比較表(n=1,027)
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賃料単価(円/㎡) |
最頻値(円/㎡) |
築年平均(年) |
標準偏差(年) |
最頻値(年) |
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新宿 |
4,028 |
4,199 |
12 |
7 |
12 |
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23区平均 |
3,339 |
3,000 |
21 |
6 |
24 |
次に、重回帰分析から徒歩・築年・面積が賃料にどの程度影響を与えているかを見ていきましょう。下記の表は、東京23区の単身者物件の分析結果です。分析の精度をたかめるために、東京23区内の築10年から30年、16㎡から30㎡、かつ2階以上のデータに絞って分析しています。
徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧(n=158、R2=0.64)
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a.徒歩 |
b.築年 |
c.面積 |
d.切片 |
e.標準偏差 |
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新宿 |
-233 |
-959 |
2,825 |
44,979 |
16,945 |
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23区平均 |
-460 |
-707 |
1,755 |
50,736 |
10,503 |
渋谷駅の単身者物件の賃料は「d.切片」の44,979円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の233円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b.築年」の959円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の2,825円ずつ値上がることがわかります。
この結果を23区と相対比較するために3つの指標を定義します。
1.build_rate 「b.築年/d.切片」
説明変数buildを切片dで割る。賃料に与える築年数の影響度を表す。
2.Time_rate 「a.徒歩/d.切片」
説明変数timeを切片dで割る。賃料に与える徒歩分数の影響度を表す。
3.Sddep_rate 「e.標準偏差/d.切片」
標準偏差を切片dで割る。賃料のばらつき度合いを表す。
「d.切片」に対する割合
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b.築年/d.切片 |
a.徒歩/d.切片 |
e.標準偏差/d.切片 |
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新宿 |
-2.13% |
-0.52% |
37.67% |
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23区平均 |
-1.40% |
-0.89% |
20.88% |
相対的に23区と比較すると、新宿は徒歩分数の影響を非常に受けづらいエリアであることがわかります。これは新宿駅の他にも周辺に「東新宿」や「新宿三丁目」など、複数駅を使用することができるため、駅からの距離によって賃料が影響を受けづらい(下がりづらい)と考えられます。また、賃料のばらつき度合を表す標準偏差は非常に大きく、東・西エリアの再開発の影響が見て取れます。高い物件もあれば、低い物件もある市場の中で、いかに希少性の高い物件を見極めるかが投資を成功させる鍵となってきます。
※リーウェイズマンションDBより作成(平成26年12月現在のデータ)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した賃料が必ずしも相場と一致するものではありません。
「新宿」のエリア特性と居住者の特徴
それでは「新宿」のエリア特性を見ていきましょう。
「夜間人口=ベッドタウン性」「昼間人口=ビジネス性」「商業人口=繁華街性」の3つの割合からエリアの特性を指標化すると、新宿は非常に高い繁華街性を有していることがわかります。日本一のビッグターミナルというだけあって、都内・県外から多くの人が買い物で訪れます。一方「ベッドタウン性(夜間人口)」は低く、新宿は「商業」「ビジネス」エリアとして機能していることが伺えます。
次に居住者の世帯構成・年齢構成をみると、新宿は単身者が6割以上を占めています。年齢構成を見ると、男女ともに20~30代が多く、男性比率は東京都比率と比較して10代未満を除いた年代において高い比率を示しています。ブランド力や住環境を重視する傾向のある女性よりも、歓楽街やオフィス街近隣という利便性を求める傾向のあるビジネスマンから支持されているようです。
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