エリアレポートVol.8では大学・専門学校が多い学生街『早稲田』をご紹介します。
「早稲田」・「西早稲田」の2つの駅で構成されている早稲田エリアは、大隈重信が創立した東京専門学校(明治35年に早稲田大学の改称)が明治15年にでき、以降は早稲田大学とともに発展してきました。現在でも地名となっている早稲田大学をはじめ、学習院、学習院女子大学や早稲田医療専門学校、国際ホテル専門学校など多くの教育機関揃う都内でも有数のエリア。そのため、早稲田には多くの学生向けのワンルームマンションや、飲食店などが立ち並ぶ学生街を形成しています。
早稲田キャンパスの周辺、さらに高田馬場駅、江戸川橋駅方面にも伸びる形で商店街が集まっており、その数は7つ。地域の学生のために低価格で食事を提供する飲食店や、学生と協業したイベントが行われたりと、学生街らしい商店街です。飲食店はカレー、洋食、定食、ラーメンなどバリエーションが豊富にそろっており、特にラーメン店は激戦区といえるほどの集まりを見せています。
また、高田馬場駅から早稲田駅までの早稲田通り沿いには、神田神保町に次ぐ第二の古書店街「早稲田古書店街連合会」も広がっており、こちらも学生街らしい特徴といえるでしょう。
新しくも文化的情緒の残る、親しみのある街
多くの学生の生活を支えている早稲田エリアの商店街ですが、早稲田大学のキャンパスが2009年の整備事業により一部新しくなり、近年は地元に根付いた昔ながらのお店だけでなく新しいお店も増えてきました。1980年台まで多く見られた学生向けの下宿も減少の一途を辿っており、ワンルームマンションへと建て替えられています。また、新宿区によって平成23年に策定された「西早稲田駅周辺地区まちづくり構想」では、西早稲田駅周辺を「生活交流の心」と位置づけ、生活者にとって利便性の高い魅力ある地域の新たな拠点となるよう誘導することとしています。
街としての新陳代謝のあるエリアですが、早稲田は街をただ新しくしているだけではありません。現在でも学生と協働した街づくりを行っており、大学や街自体がもつ歴史や文化や昔から住民を支えてきた路面電車(都電荒川線)など、早稲田には街全体に懐かしさ、親しみやすさが残っています。早稲田ならではの魅力を残しつつ、新しい街づくりをしていることが、ほかの街にはない早稲田の特長であり強みといえるでしょう。
新宿と池袋に挟まれた地の利と複数路線の利用でアクセス良好!
「早稲田」周辺エリアは東京メトロ東西線「早稲田」駅、東京メトロ副都心線「西早稲田」駅、都電荒川線「早稲田」停留所の3線3駅が利用可能です。
東京メトロ東西線は「飯田橋」「大手町」「日本橋」方面へ、東京メトロ副都心線は「池袋」「渋谷」を結び、直通運転で東急東横線へ乗り入れています。都電荒川線は「早稲田」を始発に荒川区の「三ノ輪橋」まで、「大塚」「王子」「町屋」といった城北エリアを横に結ぶ交通手段として、地元住民に愛用されており、レトロな雰囲気が鉄道ファンをはじめ地域の利用者にも親しまれています。
また、少し足を延ばせば山手線「高田馬場」駅も利用可能です。山手線は都内の主要駅はもちろんのこと、各沿線へ乗り継ぎできるため通勤・通学に非常に便利です。
このように利用可能な路線の選択肢の多い早稲田エリアは、学生から都内で働く若い単身者に人気のエリアとなっています。
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