「築浅物件」VS「築古物件」お得なのは結局どっち?

物件(写真=PIXTA)

 車の世界では新車と中古車のどちらがお得かというような話がよくある。新車のメリットは自分の好きな色や装備が選べることだ。中古車のメリットは同じ値段でもワンランク上の車に乗れることができ、納車も早いことだ。車の場合は同じ車種を新車か中古車で単純な比較が可能だ。しかしながら、不動産は同じものが無いため、車のような単純な比較は難しいと言える。しかし、今回はあえて「築浅物件」と「築古物件」を比較して、どっちがお得かを考えていきたい。

 極端な例を挙げると、好立地の築古物件と辺鄙な土地の築浅物件であれば、どちらを選ぶであろうか。このような例であれば好立地の築古物件を選ぶ人の方が多いだろう。立地が良ければ、人にも貸せるし、売却しても買手がつく可能性は高いため、辺鄙な土地の築浅物件よりも資産価値は高い。立地条件を考慮すると話が複雑になり、車のような単純な比較はできない。そのため、ある程度立地条件が同一で、建物用途もマンションと仮定して比較を行うことにしよう。

鑑定評価における建物価値の考え方

 では建物の価値はどのように決まるのであろうか。ここで不動産鑑定士が鑑定評価を行う際に基準とする不動産鑑定評価基準を参考にしたい。不動産鑑定評価基準の中には建物の価格形成要因として、次の9つの要因を挙げている。鑑定評価基準の順番通りに掲げると「1. 建築(新築、増改築又は移転)の年次」「2. 面積、高さ、構造、材質等」「3. 設計、設備等の機能性」「4. 施工の質と量」「5. 耐震性、耐火性等建物の性能」「6. 維持管理の状態」「7. 有害な物質の使用の有無及びその状態」「8. 建物とその環境との適合の状態」「9. 公法上及び私法上の規制、制約等」となっている。興味深いのが、1番最初に「新築の年次」という築年数を掲げていることだ。築年数と言うのはそれだけ建物価値を決定づける重要な価格形成要因と言える。鑑定評価においても、経過年数に応じて建物価値を減価して評価を行う。

本当に築古は価値か低いのか

 ここまでは教科書的な話である。では実際にはどうなのであろうか。鉄筋コンクリート造のマンションであれば、築40年以上経っても、躯体に大きな問題が生じている物件は少ない。最近の建物は100年建築と言われるくらいであるから、今後はますます躯体の寿命は延びることが予想される。エレベーター等の共用部の大規模修繕が終了していれば、設備についても、まだまだ使える状態だ。しかも、最近はリフォーム技術が発達しており、中古マンションをオリジナルのデザイナーズマンションに変えることもできるのだ。内装の壁を漆喰に、床材を無垢材にといった自然素材を用いて、新築よりも高級な仕上げ材で作り替えることもできる。また壁の位置を変更することにより、好きな間取りに変更することも可能だ。

 このように考えれば、(新築価格)>(中古価格+リフォーム代)という関係が成立していれば、築古物件でもお得と言うことが出来る。但し、入居後は修繕積立金が築浅マンションより高くなっている場合が多い。購入後の維持費に関しては、住宅ローン等の他の費用も併せて総合的に判断する必要がある。

崩れつつある新築神話

 以前は、日本人はとにかく新築が好きで、新築神話という言葉もあった。マンションも一度でも誰かが住んでしまうと、値段が一気に下がるという現象も見られた。しかしながら最近では特に若者を中心に、新築にこだわらない人達も増えてきており、中古マンション市場も成熟してきた。従来、住宅市場は耐用年数が20年程度の木造の戸建が中心であったが、現在は耐用年数が50年程度の鉄筋コンクリート造のマンションも増えてきたことも一因であろう。また実際は中古マンションの方が良い立地に建っているケースが多いのも大きな要因と考えられる。オリジナルのお洒落なマンションが好きな人は一度「中古価格+リフォーム代」と新築価格を比較してみてはどうだろうか。ひょっとしたら、その中古マンションは、お得な買い物になるかもしれない。

 

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2015年6月23日 5:42 PM カテゴリー: 不動産投資

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