不動産投資とレバレッジ効果 「借入れは危険」という誤解

Debt Loan Credit Money Financial Problem Concept (写真=iStock/Debt Loan Credit Money Financial Problem Concept)

不動産投資で失敗した人を取り上げるニュースでは、住宅ローンを返済するために物件を売却しても、思ったほどの値段では売れずに借金だけが残ってしまったというストーリーをよく目にします。また、不動産投資で失敗して自己破産した人の話や、夜逃げ同然に姿をくらました人の話がネット上に出回ることもあります。 ローンを組んでの不動産購入は非常に危険なイメージがありますが、実際のところ、不動産投資で失敗する人はそれほど多くはありません。 たとえば、住宅ローンや不動産投資用のローンを積極的に手掛けているスルガ銀行が開示している資料によると、2016年時点の同行の住宅ローンの延滞率は0.04%、フリーローンの延滞率は0.02%です。5年の平均で見ても住宅ローンの延滞率は0.04%、フリーローンは0.08%と非常に低い水準です。(出典:スルガ銀行株式会社 2016年3月期開示資料)

実際の延滞率は低いのですが、なかには失敗する人もいます。延滞率の数字には表れないまでも、その一歩手前で苦しんでいる人もいます。

過去記事:不動産投資で失敗しないためのIRR(全期間利回り)

上記記事にもありますように、不動産投資で失敗する人の共通点は、投資を始める前に入念な計画・準備を行なわなかったことに集約されます。 まず、借入れよるレバレッジの効果とリスクを理解することから始めましょう。それによって何に注意すれば良いかがわかり、過度にリスクを恐れることもなくなります。

不動産投資におけるレバレッジの効果

不動産投資におけるレバレッジの効果は、投資の効率を引き上げる点にあります。話を簡略化してご説明します。 自己資金額1000万円とローン3000万円で、4000万円の物件を購入するとします。

レバレッジ1

黄色い線はモデル物件の将来の価値をGate.の人工知能で推計したものです。不動産の価値が経年によって減価していくという前提です。

注目すべきは30年後のバランスです。ローンの元本は元利均等返済であれば上記の図のように最初はゆっくりですが、後になるほど返済が進みます。30年後にローンを返済し終わったとき、黄色い線(=物件の価値)がどれだけ濃い青(=自己資金額)を上回っているかがポイントになります。

自己資金額を低く抑えて借り入れを増やすと、毎月のローンの返済は重たくなりますが、ローンを返済し終えたときの黄色い線と濃い青の距離は広がる計算になります。

投資を始める前の入念な資金計画では、賃貸収入が減っていく事を想定した上での「賃料収入とローンの返済額」のバランスに加え、投資期間中の「物件評価額と自己資金とローン元本」のバランス、そして、「ローンを返済し終えた後の自己資金額と物件評価額」のバランスを見積もることが大事です。

本質的な価値よりも高値で投資してしまった場合

先ほどの例では4000万円で物件を購入するとしました。次に、もし、投資家がこの物件を4500万円で購入したと仮定しましょう。4000万円の価値の物件に4500万円の値札が付くことはあります。 さて、自己資金額は1000万円で先ほどと同じ、ローンの額が3000万円から3500万円に増えます。物件の評価額は先ほどと同じとします。

レバレッジ2

この図で注目すべきは最初の10年くらいまでのバランスです。 物件の評価額よりも高い値段で購入してしまうと、ローンの元本返済が進む前のバランスが非常に悪くなります。不動産投資の失敗で苦しんでいる方の多くはこのパターンです。 たとえば、投資から10年目に物件を売却してローンを返済する場合を考えます。このとき、物件の価値が借入元本と自己資金の合計額を下回っているため、ローンを全額返済できたとしても、自己資金が毀損することになります。 さらには、ローンの額が増えていることで、ローン金利の負担も高くなり、資金繰り的にも損益的にも不利になります。 不動産投資では借入れが危険なのではなく、物件の価値を超えた高い値段で購入してしまうことが危険なのです。

事前にリスクを見積もっておくことが大事

冒頭で述べたように、住宅ローンやフリーローンの延滞は実は非常に低いのです。しかし、なかにはローンの返済が苦しくなり、途中の売却で思ったより安く手放さざるを得なくなる人もいます。 不動産投資の成功と失敗を分ける要素は、事前の調査と準備です。事前に物件を評価し、資金計画でリスクを見積もっておけば、ああ、こんなはずでは・・・といった失敗は防げるでしょう。

  • 賃料が減価することを織り込んだ収入の見積もり
  • 期中に売却するかもしれないことを見込んだ物件価値の将来予測
  • そもそもその値段で投資することが妥当かの価値評価

これらをすべて投資家が分析するのは大変です。ソリューションは、「ビッグデータ×人工知能」でGate.が提供できます。

これまで不動産投資に経験のある方は、いまの不動産テックが提供できる「分析力」に触れてみてはいかがでしょう。また、これから不動産投資を始める方は、不動産投資で何が必要か、どんな分析をすべきなのかを知ることから始めてはいかがでしょうか。

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2016年7月5日 12:38 PM カテゴリー: 不動産投資, 投資分析

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