「浅草」駅周辺の賃貸市場
浅草駅周辺(徒歩15分圏内)の賃貸市場を見ていきましょう。下記の分布図は浅草駅周辺15分圏内の賃貸物件の㎡単価を築年別に表したものです。約40年ほど前からコンスタントに供給が増えていることがわかります。
「上野」などターミナル駅へのアクセスの良さをはじめ、エリアに魅力があることから比較的相場家賃は高いことが下の比較表からわかります。また、賃料単価(円/平米)と築年数の最頻値をみると、築浅の物件のに対して比較的リーズナブルな物件が多いことがわかり、それだけ「浅草」エリアの賃貸マーケットにバリエーションがあり充実していることが見受けられます。
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賃料単価(円/㎡) |
最頻値(円/㎡) |
築年平均(年) |
標準偏差(年) |
最頻値(年) |
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浅草 |
3,463 |
3,733 |
13 |
7 |
13 |
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23区平均 |
3,339 |
3,000 |
21 |
6 |
24 |
次に、重回帰分析から徒歩・築年・面積が賃料にどの程度影響を与えているかを見ていきましょう。下記の表は、東京23区と浅草の単身者物件の分析結果です。分析の精度をたかめるために、築10年から30年、16㎡から30㎡、かつ2階以上のデータに絞って分析しています。
徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧(n=158、R2=0.64)
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a.徒歩 |
b.築年 |
c.面積 |
d.切片 |
e.標準偏差 |
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浅草 |
-774 |
-583 |
1,651 |
54,973 |
12,141 |
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23区平均 |
-460 |
-707 |
1,755 |
50,736 |
10,503 |
浅草駅の単身者物件の賃料は「d.切片」の54,973円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の774円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b.築年」の583円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,651円ずつ値上がることがわかります。
この結果を23区と相対比較するために3つの指標を定義します。
1.build_rate 「b.築年/d.切片」
説明変数buildを切片dで割る。賃料に与える築年数の影響度を表す。
2.Time_rate 「a.徒歩/d.切片」
説明変数timeを切片dで割る。賃料に与える徒歩分数の影響度を表す。
3.Sddep_rate 「e.標準偏差/d.切片」
標準偏差を切片dで割る。賃料のばらつき度合いを表す。
「d.切片」に対する割合
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b.築年/d.切片 |
a.徒歩/d.切片 |
e.標準偏差/d.切片 |
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浅草 |
-1.06% |
-1.41% |
22,09% |
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23区平均 |
-1.40% |
-0.89% |
20.88% |
相対的に比較すると、「浅草」は築年数による賃料への影響が23区平均よりも低い傾向があり、反対に徒歩分数の影響が23区平均に比べて高いです。また、賃料のばらつきを表す標準偏差はも22.09%と23区平均に近いことがわかります。アクセスの良い駅が多く、その周辺の賃料と駅から離れた物件の賃料との差がこの数字に表れていると考えられます。
※リーウェイズマンションDBより作成(平成26年12月現在のデータ)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した賃料が必ずしも相場と一致するものではありません。
「浅草」のエリア特性と居住者の特徴
まずは「浅草」のエリア特性から見ていきましょう。
「夜間人口=ベッドタウン性」「昼間人口=ビジネス性」「商業人口=繁華街性」の3つの割合からエリアの特性を指標化すると、浅草はやや繁華街よりに位置しています。浅草寺や東京スカイツリーなどの観光名所が多いため繁華街としての特性が出ているようです。
居住者の世帯構成・年齢構成をみると、浅草は単身者の割合が半分以下と比較的少ない割合です。一方2人世帯以上の割合が比較して多く、また、年齢構成を見ると男女ともに30~40代が多いことがわかります。歴史ある街並みとその治安の良さが家族世帯に人気の理由と考えられます。
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