懐かしくて居心地の良い、アンティークな街『西荻窪』

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「西荻窪」駅周辺の賃貸市場

 下記のグラフは「西荻窪」駅の賃貸データを築年別にグラフ化したものです。約40年ほど前からコンスタントに供給が増えていることがわかります。

 

 

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 平米単価の平均を23区と比較すると、㎡単価で比較して平米あたり76円(20㎡で1,520円)とほぼ同じ水準です。また、築年平均をみてみると、平均(年)、最頻値(年)ともに23区より高く、23区全体と比較して築古のマンションが多いエリアであることがわかります。

 

■平米賃料単価/築年数比較表 (n=4,979)

  賃料単価(円/㎡) 最頻値(円/㎡) 築年平均(年) 標準偏差(年) 最頻値(年)
西荻窪 3,263 3,100 28 6 28
23区平均 3,339 3,000 21 6 24

 

 次に、重回帰分析から徒歩・築年・面積が賃料にどの程度影響を与えているかを見ていきましょう。下記の表は、東京23区と早稲田の単身者物件の分析結果です。分析の精度をたかめるために、築10年から30年、16㎡から30㎡、かつ2階以上のデータに絞って分析しています。

 

徒歩・築年・面積による重回帰分析結果(n=1,828R2=0.59

  a.徒歩 b.築年 c.面積 d.切片 e.標準偏差
西荻窪 -403 -942 1,535 59,602 11,779
23区平均 -460 -707 1,756 50,736 10,503

 

 西荻窪の単身者物件の賃料は「d.切片」の59,602円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の403円ずつ、築年数1年ごとに「b.築年」の942円ずつ値下がり、面積が1㎡広くなるごとに「c.面積」の1,535円ずつ値上がることがわかります。

この結果を23区と相対比較するために3つの指標を定義します。

1.build_rate  「b.築年/d.切片」
 説明変数buildを切片dで割る。賃料に与える築年数の影響度を表す。

2.Time_rate  「a.徒歩/d.切片」
 
説明変数timeを切片dで割る。賃料に与える徒歩分数の影響度を表す。

3.Sddep_rate  e.標準偏差/d.切片」
 標準偏差を切片dで割る。賃料のばらつき度合いを表す。

 

■賃料への影響度合い

  b.築年/d.切片 a.徒歩/d.切片 e.標準偏差/d.切片
西荻窪 -1.58% -0.68% 19.76%
23区平均 -1.40% -0.89% 20.88%

 

 相対的に比較すると、駅からの距離による影響「a.徒歩/d.切片」小さいことがわかります。「西荻窪」は住環境が良く、両隣に「吉祥寺」「荻窪」があるため、駅からの距離が賃料へ影響しづらいと市場と分析できます。また、賃料のばらつきを表す標準偏差「e.標準偏差/d.切片」は23区と同水準であり、賃料の振れ幅の小さい安定した市場であることがわかります。

※リーウェイズマンションDBより作成(平成26年12月現在のデータ)
​※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した賃料が必ずしも相場と一致するものではありません。

杉並区と西荻窪周辺の居住者の特長

 まずは「西荻窪」のエリア特性から見ていきましょう。

「夜間人口=ベッドタウン性」「昼間人口=ビジネス性」「商業人口=繁華街性」の3つの割合からエリアの特性を指標化すると、西荻窪はベッドタウンに位置しています。都心部へのアクセスが良く、住環境もよいエリアであるため、都心で働く方のベッドタウンとして機能していることがわかります。


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 東京都ならびに杉並区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で49.06%に対して、杉並区は56.49%と比較的高いことがわかります。対象エリアとなる丁目(西荻北、西荻南など)における人口統計資料から単身世帯の割合をみてみると53.18%となっており、単身者の多い杉並区の中では西荻窪駅の周辺エリアは単身者から家族世帯まで万遍なく暮らしているエリアです。

 また、対象エリア内の居住者の年齢構成をみると、40歳未満で全体の約1/2を占め、若い世代の居住割合が多いエリアとなっています。

 

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