実物不動産とJ-REITの値動きの違いは?

実物不動産とJ-REITの値動きの違いは?

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 実物不動産投資の代替として、J-REIT投資を考えている方もいるでしょう。すでにJ-REITに投資している方もいるかもしれません。J-REITは多くの投資家から集めた資金や金融機関からの借り入れなどにより、マンションやオフィスビル、商業施設、物流施設など複数の不動産に投資しています。投資家はJ-REITの投資口を保有することで、J-REITが保有不動産から得た賃貸収入や売買益を受け取ることができます。

 不動産と投資家の関係を見れば、投資家はJ-REITを通じて間接的に不動産投資を行っているといえます。投資する物件の選択やテナントの誘致、物件の維持管理、物件に関わる固定資産税と都市計画税の納税などはJ-REITの運営会社が行います。投資家はこのようなJ-REITに関わる運営経費を除いたうえで、J-REITが得た不動産からの収益を受け取ることになります。

 実物不動産への直接投資と、J-REITへの投資を比べたときの違いのひとつに、値動きの違いがあげられます。どういうことか見てみましょう。

J-REITは株に似た動き

 J-REITの値動きは、東証REIT指数の値動きを見るのが一般的です。もともと東証REIT指数は東京証券取引所に上場しているすべてのJ-REITの値動きを時価総額の加重平均で指数化したものです。このため東証REIT指数の動きを見れば、J-REIT全体の値動きがわかります。

 東証REIT指数の値動きと、一般的な株価指数である日経平均株価とを比べたものが下の図です。これを見るとJ-REITの値動きが株式の動きに似ていることがよくわかります。J-REITへの投資は間接的な不動産投資ですが、値動きを見る限り、「不動産投資」と「株式投資」の両方の性格を持っているといえます。

実物不動産とJ-REITの値動きの違いは?1

J-REITが保有している不動産の値動きはゆるやか

 J-REITの値動きは株式の値動きに似ていることがわかりました。では、J-REITが保有している不動産そのものの価値はどうでしょう?

 住宅用不動産(マンション)に投資しているJ-REITを例にしましょう。現在、住宅を主な投資対象としているJ-REITは9銘柄あります。その中で合併でデータの連続性が欠ける銘柄を除いて、最大の時価総額である日本アコモデーションファンド(3226)で保有不動産の状況を確認します。 

実物不動産とJ-REITの値動きの違いは?2

 上の図の青い線は、2007年2月の決算から2014年の決算まで、日本アコモデーションファンドが全期間を通して保有していた25物件について、2007年2月を100として投資用マンションの鑑定評価額の推移を見たものです。

 これによると2008年8月以降に緩やかな下落が続き、2013年2月あたりから緩やかな上昇に転じています。この間、80を下回ること(20%を超える下落)はありませんでした。保有不動産の価値は緩やかな横S字のカーブを描いて、比較的狭い範囲で上下していることがわかります。

 一方、赤い線は同時期の日本アコモデーションファンドの株価の動きです。こちらも2007年2月を100として指数化しています。赤線では40近いところまでの低下(60%近い下落)がありました。株価の値動きが激しかったことがわかります。また、6か月ごとの株価の位置もブレが大きく、裏付けとなっている不動産価値の動きに比べて、株価の動きの方が断然大きいのがわかります。

J-REITは間接的な不動産投資でも値動きは激しい

 東証REIT指数と日経平均を見比べたとき、J-REITの値動きは株式の値動きに似ていると述べました。また個別のJ-REITの株価と、そのJ-REITが保有している不動産との値動きを見比べたとき、株価の動きに比べて保有不動産の値動きが緩やかであることもわかりました。

 実物不動産投資がいいのか、J-REIT投資がいいのかを検討する際は、このような値動きの違いを考慮に入れるといいでしょう。J-REITは証券取引所で売買できますので、流動性は非常に高いのが特徴です。そのため短期的な投資にも対応できます。ただし、流動性が高いことの裏返しとして、値動きは激しくなります。

 一方で実物不動産であれば、流動性には劣りますが値動きは比較的穏やかですから、長期的な投資に向いているといえます。

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