家賃を「単価×広さ」に分解すると、物件の実際が見えてくる

家賃を「単価×広さ」に分解すると、物件の実際が見えてくる

家賃
(写真=Thinkstock/Getty Images)

 賃貸マンションやアパートには、駅周辺の家賃相場というものがあります。都心の家賃は高く、都心から離れると家賃は低下していきます。

 テナントが支払う月額の家賃は、「1㎡あたりの賃料単価×部屋の広さ」に分解できます。賃料単価が高いエリアで広い部屋を借りれば、当然ですが月額の家賃は高くなります。テナントは予算とにらめっこしながら、単価が高いエリアで狭い部屋にするのか、少し通勤時間はかかるが単価の低いエリアで広い部屋を借りるかを検討するでしょう。

 今回は家賃を「単価」と「部屋の広さ」に分解した結果をレポートします。

都内主要200駅の賃料単価と広さ

 都内の主要200駅周辺の物件について、「賃料単価」と、「部屋の広さ(賃貸面積)」の平均値を集計しました。その結果が以下の図です。なお、駅から徒歩10分以内の鉄筋コンクリート造の賃貸マンションに限定し、外国人向けなどの超高級物件は除きました。

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 200駅の中心点は家賃単価で3,500円、賃料面積で33㎡です。中心点の右上のエリアは賃料単価が高く、面積も広い部屋を供給しているエリアです。広い部屋は賃料も高くなりますが、それでもテナントのニーズがある地域です。テナントの賃料負担の高いエリアといえるでしょう。この右上エリアに絞って、もう少し見てみましょう。

ファミリー向けのエリア

 賃料面積が50㎡を超えているオレンジ色の点は、勝どき駅と豊洲駅です。この2つの駅は、都心から比較的近い位置にありながら、倉庫街や工場街だったことで開発が遅れていた地域でした。それが、近年になって開発が進んだという共通点があります。

 勝どき駅は、2000年に開通した都営大江戸線の駅です。勝どきと運河を挟んだ晴海エリアは大江戸線が開通してから開発に弾みが付き、UR都市機構や民間によるマンション開発が活発になっています。都心の狭い土地の再開発とは違って、広い区画による大型タワーマンションの建築が可能なことから、ファミリー向けの大規模な分譲マンションが増えています。

 豊洲駅は、東京メトロの有楽町線とゆりかもめが乗り入れています。石川島播磨重工業の造船ドックや東京ガスの都市ガス製造工場の跡地といった、広い土地を活用した再開発が行われています。このエリアの急激な人口増に対応するため、江東区は公共施設(豊洲シビックセンター)を建設しています。また、就学年齢の人口の増加により、豊洲西小学校が2015年4月開校予定です。

 勝どきと豊洲は、単身者ではなくファミリーが多く住むエリアとなっています。そのため賃貸物件でも、ファミリーを意識した広めのスペースが好まれる傾向にあります。

ハイクラス向けのエリア

 都心のハイクラス向けのエリアの中でも、丸で囲んだ3駅は賃料単価も高く、賃貸面積も広い物件の多いエリアです。具体的には六本木、赤坂、広尾の3駅で、月額家賃の平均は約19万円となっています。

 3駅の平均的な部屋の広さは40㎡ほどで、子供のいるファミリー向けというよりは、単身かカップルで生活する人が多いと思われます。

 なお、六本木、赤坂、広尾駅より賃料単価が高い駅には、表参道、麹町、渋谷駅などがあります。いずれも都心で利便性の高いプレミアムエリアです。

分解分析の結果を投資に活かせ

 このように「賃料単価」と「部屋の広さ」に分解してエリアごとに分析をしてみると、それぞれのエリアの特性がわかりやすくなります。投資しようとしているエリアは、どのくらいの単価でどのくらいの広さの物件が多いのかといった競合分析をしておくと、投資を検討する際の判断材料になるでしょう。

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