「地域特化型REIT」の展望分析!関西圏・九州圏特化型

「地域特化型REIT」の展望分析!関西圏・九州圏特化型

不動産ポートフォリオの集中は運営上のメリットが大きい

 実は不動産ポートフォリオが特定エリアに集中しているというのは、運営上かなりのメリットがある。まず物件がひとつの地域にまとまっていると管理は楽になる。極端な例を挙げれば、物件が同じ街区内に複数棟あれば、管理会社やビルメンテナンス業者を1社に絞り、人員配置を工夫して効率的にコストを下げることができる。また特定エリアに物件を多く有していれば、賃料相場をコントロールすることも可能になってくる。物件が特定エリアに集中していることは、遠隔地に分散させるより、様々なシナジー効果を生むのだ。

最大のメリットは物件購入

 更に、ポートフォリオの集中によってREITに物件情報が集まりやすくなる。不動産の物件情報というのは、買ってくれそうな人のところに集まる。例えば、不動産仲介の担当者には日本橋に売り物件が出たら三井不動産、渋谷に売り物件が出たら東急不動産に持ち込もうという意識が働く。

 不動産を売りたかったら「まず隣地に声を聞け」というのは業界の常識であるが、それと似たような心理もエリアの大地主に対して働くのだ。大手ディベロッパーは物件の特定エリアへの集中が成長の原動力を生んでいる。REITも優良物件を購入し続けることが最も難しい。地域特化型REITという看板を掲げていれば、例えば福岡で収益物件の売り情報が出たら、東京の会社ではなく、まず福岡リートに話を持っていこうという心理が働き、成長の原動力となることが期待できるのだ。

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