中古マンション投資に必要な3つの指標 (3)IRR

内部収益率(写真=PIXTA)

IRR:Internal Rate of Return(内部収益率)

 IRR(Internal Rate of Return)とは、内部収益率のことをさす。マンション投資におけるIRRは、投資金額、投資期間中のインカムゲイン、投資期間が終了したときの出口の価格(キャピタルゲイン・ロス)までを考慮した、トータルの投資収益率を年率で表したものである。

参考記事:不動産投資で押さえるべき指標のIRRとは?

 不動産投資では、売却時のキャピタルゲイン、キャピタルロスによって、投資のトータルのリターンが大きく変わってくる。表面利回りや純収益での利回りは、わかりやすいというメリットがある一方で、一期間のインカム利回りしか表せないというデメリットもある。その点、IRRでは投資期間中のトータルリターンを試算できる。

IRRの具体例

 IRRを具体的に見ていこう。試算の前提は次のとおり。

[購入する中古マンション]
購入価格:2,000万円
年間純収益(NOI):100万円
投資期間:20年
投資終了時の売却金額:(シミュレーション)

 この条件で、売却金額を1,500万円から2,200万円まで変化させて、IRRを試算していく。複雑化を避けるため、年間の純収益は一定とし、全額自己資金とする。

 結果は以下のとおり。

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 投資期間中のインカム収入は同じでも、売却時の価格によって総合的なリターンは変わってくる。将来のマンション価格の経年劣化を織り込みながら、どのくらいの価格で売れたら、どのくらいの利回りになるかを試算するには、IRRが適している。

 投資にあたって重要なことは、一期間の利回りだけでなく、所有期間全体を通した利回りを考慮することだといえよう。

IRRで気を付けること

 IRRで気を付けるべきことは、所有期間の長短によってキャピタルゲイン・ロスの影響度が変わってくることだ。短期間で売却する場合は、長期保有したときよりも売却価格の影響が大きくなる。以下は、年間の収入を一定として、投資期間を20年と10年で比べたものである。

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 IRRでは、投資期間中の全てのキャッシュフローを考慮に入れる。そのため、投資期間が短いと、家賃収入の積み重なりが小さいため、売却価格の影響が相対的に大きくなってくる。

中古マンション投資に役立つ指標

 これまで3回にわたって、LTV、DCR、IRRをそれぞれ見てきた。中古マンション投資を検討する場合は、少なくともこの3つの視点に留意して、物件の選択や資金調達を考えてみてほしい。

 LTVでは、借り入れを増やせば増やすほどリスクは高まるが、その代わり、自己資金に対する利回りを高めることができる。

 DCRは、投資マンションの収益性からみたローンの返済能力である。返済計画を策定するときに、DCRの発想は欠かせない。また、ローンの返済負担を減らすためには、LTVを下げることも一つの方法である。DCRとLTVの2つは関わりが深いので、折り合いをつけた資金計画を策定するようにしよう。

 IRRは、一期間の利回りではなく、マンション投資の全期間を通したトータルの収益率を測るのに必要である。投資期間終了時にいくらで物件を売却できるかによって、トータルの利回りは異なってくる。ご自身で計算するのが手間な場合は、FPや不動産の専門家に相談するのも一つの方法だ。

 中古マンションの投資を検討する際は、KKD(カンと経験と度胸)に加えて、LTV、DCR、IRRなどの数値も参考にして、投資判断を下してみてはいかがだろう。

 

賢い不動産投資を始めよう

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2015年6月18日 10:00 AM カテゴリー: 不動産投資

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