「新宿御苑前」駅周辺の賃貸市場
下記のグラフは「新宿御苑前」駅の賃貸データを築年別にグラフ化したものです。約40年ほど前から供給が増え始め、25年前を境にいったん落ち着いていますが、15年ほど前から再度供給が増加していることがわかります。
平米単価の平均を23区と比較すると、平米あたり766円(20㎡で15,320円)賃料相場の高いエリアです。また、築年平均をみてみると、平均(年)、最頻値(年)ともに23区より高く、23区全体と比較して築浅のマンションが多いエリアであることがわかります。
■エリア別 平米賃料単価/築年数比較表 (n=1,673)
賃料単価(円/㎡) | 最頻値(円/㎡) | 築年平均(年) | 標準偏差(年) | 最頻値(年) | |
---|---|---|---|---|---|
新宿御苑前 | 4,105 | 4,242 | 11 | 7 | 11 |
23区平均 | 3,339 | 3,000 | 21 | 6 | 24 |
次に、重回帰分析から徒歩・築年・面積が賃料にどの程度影響を与えているかを見ていきましょう。下記の表は、東京23区と新宿御苑前の単身者物件の分析結果です。分析の精度をたかめるために、築10年から30年、16㎡から30㎡、かつ2階以上のデータに絞って分析しています。
■徒歩・築年・面積による重回帰分析結果(n=379、R2=0.79)
a.徒歩 | b.築年 | c.面積 | d.切片 | e.標準偏差 | |
---|---|---|---|---|---|
新宿御苑前 | -1,277 | -903 | 3,168 | 42,919 | 19,675 |
23区平均 | -460 | -707 | 1,756 | 50,736 | 10,503 |
新宿御苑前の単身者物件の賃料は「d.切片」の42,919円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の1,277円ずつ、築年数1年ごとに「b.築年」の903円ずつ値下がり、面積が1㎡広くなるごとに「c.面積」の3,168円ずつ値上がることがわかります。
この結果を23区と相対比較するために3つの指標を定義します。
1.build_rate 「b.築年/d.切片」
説明変数buildを切片dで割る。賃料に与える築年数の影響度を表す。
2.Time_rate 「a.徒歩/d.切片」
説明変数timeを切片dで割る。賃料に与える徒歩分数の影響度を表す。
3.Sddep_rate 「e.標準偏差/d.切片」
標準偏差を切片dで割る。賃料のばらつき度合いを表す。
■賃賃料への影響度合い
b.築年/d.切片 | a.徒歩/d.切片 | e.標準偏差/d.切片 | |
---|---|---|---|
新宿御苑前 | -2.10% | -2.98% | 45.84% |
23区平均 | -1.40% | -0.89% | 20.88% |
相対的に比較すると、新宿御苑前は築年による影響「b.築年/d.切片」、賃料のばらつき「e.標準偏差/d.切片」の割合が高いことがわかります。新宿エリアは開発も盛んで築浅物件の多いエリアであるため、それらが築年による影響と賃料のばらつきが大きくなっている要因と分析できます。賃料のばらつきが大きいということは、リノベーションなどをし差別化を図ることで、賃料が改善する効果も期待できるエリアといえます。また、駅からの距離による影響「a.徒歩/d.切片」も高いですが、新宿駅が近くにあるため、その影響を大きく受けていると分析できます。
※リーウェイズマンションDBより作成(平成26年12月現在のデータ)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した賃料が必ずしも相場と一致するものではありません。
新宿区と新宿御苑前周辺の居住者の特長
まずは「新宿御苑前」のエリア特性から見ていきましょう。
「夜間人口=ベッドタウン性」「昼間人口=ビジネス性」「商業人口=繁華街性」の3つの割合からエリアの特性を指標化すると「繁華街」としての性質が高く出ています。ターミナル駅の「新宿」に非常に近い位置しており、商業が盛んに行なわれているため、新宿御苑前は繁華街としての特性のあるエリアです。
東京都ならびに新宿区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で 49% に対して、新宿区は63% と比較的高いことがわかります。対象エリアとなる丁目(新宿1、2丁目、四谷4 丁目、富久町など)の単身世帯の割合をみてみると、新宿区と同水準の60%となっており、新宿御苑前周辺エリアは一人暮らしの方が多いということがわかります。また、対象エリア内の居住者の年齢構成をみると、20~39歳の割合が36.4%と最も高く、40歳未満が全体の約半分を占め、比較的若い世代の居住割合が多いエリアとなっています。