「フィンテック」に続く「不動産テック」とは何か?

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 アメリカからはじまった「フィンテック」ですが、それは日本にも浸透しつつあり不動産業界にも「不動産テック」という形で現れています。不動産テックとは何でしょうか。どのようなサービスが生み出されているのでしょうか。

近年の金融業界の最新動向「フィンテック」とは?

  • フィンテックとは?
     ここ数年「フィンテック」という言葉をニュースで見かけるようになりました。しばしば「テック革命」という言葉も使われます。フィンテックはこれからの金融業界の動向に多大な影響を与えていく、新たな現象です。
     フィンテックとは「ファイナンス(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた言葉で、アメリカのベンチャー企業界隈で使われはじめ、世界に広まった概念です。言葉からわかるように、これはITを活用した金融技術のイノベーションのことを意味します。情報技術を活かして金融取引をより便利にしよう、新たなノウハウを作ろう、という企業の活動や新たなビジネスのことです。
     このような動きが生まれた背景には、2008年のリーマンショックによる世界金融危機の発生があります。リーマンショックは金融取引の構造を原因として生まれた危機でした。はじまりはアメリカで自宅を持つことのできない貧困層にも、住宅を提供しようとする「サブプライムローン」という仕組みが作られたことでした。金融機関はローンを抱えないために、金融技術を駆使してローンを証券化し、多数の金融商品と組み合わせて市場に流通させました。しかし不動産バブルが崩壊したことによって、サブプライムローンのリスクが顕在化し、サブプライムローンが証券化されて組み合わされた金融商品を誰も買わなくなりました。さらにどこにどれだけのリスクがあるのか分からなくなった結果、金融市場全体が機能停止してしまったのです。その結果、金融市場・実物市場ともに大きな損失を被りました。
     これがリーマンショックおよび世界金融危機のあらましですが、このような現在の金融取引の抱える問題から、投資家やベンチャー企業が新しい金融取引のシステムや技術、サービスを作ろうとしたのがフィンテック革命です。

     
  • どのような影響を与えているか
      フィンテックのトレンドを作り出し、最先端を走っているのはアメリカの企業です。様々なビジネスやサービスが作り出され、金融取引の利用者にとってこれまでにはなかった便利なサービスが提供されるようになりました。たとえば個人間でのお金の送金はアプリで手数料無料で行えるようになりました。海外への送金は仮想通貨を使って無料で行うことができ、クレジットカードは複数のものを一括で管理できるサービスも生まれています。さらには資金調達においても、個人間で調達することができるようになっています。これまで銀行などの伝統的金融機関が行うことのできなかったサービスが、ITによってどんどん実現されていっているのです。

不動産業界にも影響を与えている?

  • 日本のフィンテック
     フィンテックは日本でも生まれてきています。たとえば「Moneytree」というサービスでは、クレジットカードや電子マネーなどの利用状況を一元管理することができます。またポイントも管理することができます。「coincheck for EC」ではビットコインでの決済サービスを提供しています。手数料は1%かかりますが、ビットコインで商品を購入するときにこのサービスを利用すれば、このサービスによって店舗に日本円で代金が支払われます。月額利用料はかかりません。これらのサービスは、まだ一般的にはなっていませんが、徐々に利用者を拡大しているところです。今後は間違いなく金融取引の主流となっていくでしょう。
     
  • 不動産テックとは?
     フィンテックが影響を及ぼしているのは、一般向けの金融取引だけではありません。投資に利用されるサービスも生まれています。たとえば株式投資において、若者や投資初心者でも感覚的に投資ができるようになっているアプリが開発されたりして、徐々に人気が出ています。
     さらにフィンテックは不動産業界にも影響を与えています。それが不動産テックです。不動産取引はもともと、他の金融取引などに比べれば情報技術の活用が遅れていると言われてきました。それは、不動産取引は一度の取引が高額になること、一般的には長期保有が前提となっていることなど、不動産という商品の特性から個別性が強いことが理由の一つです。しかし不動産の売買・仲介のプロセスをネット上で行うことのできるサービスも登場しています。
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今後の動向

  • 問題点
     不動産テックは、不動産の流動性の低さ、情報の非対称性といった不動産業界の構造的な問題に対して一つの解決策を与えていくものと考えられます。不動産取引にも物件の売却、購入だけでなく、リノベーションや住宅ローンまでたくさんの種類のものがあります。これからは不動産取引のあらゆる分野に不動産テックの波が浸透していくことでしょう。
     不動産業界では以前から一般消費者と不動産会社との間に大きな情報の非対称性があると言われてきました。もちろん株式投資などでも情報の非対称性は存在しますが、上場している企業は決算情報などの公開が義務づけられており、誤った情報を流せば罰せられ、社会的にも非難されます。しかし不動産市場では情報公開が限定的になっており、一般消費者は、取引において不動産会社よりも大幅に少ない情報を元に売買の判断をしなければなりません。
     この情報の非対称性は、不動産テック、つまり不動産業界へのITの浸透によって改善されるでしょう。不動産のビッグデータを活用した分析情報の提供など、不動産とテクノロジーの融合は、いま急速に進んでいます。
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     しかし、ここで新たな格差が生まれます。それはITを使いこなすことができる利用者とそうでない利用者との間に情報格差が生まれるということです。不動産取引やITの知識をある程度持っている人とそうでない人、不動産テックによって増える情報を取り入れる人とそうでない人などの間で格差が広がる恐れがあります。
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     これから不動産テックが社会にどのような影響を及ぼすのか、注目していきましょう。
     

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賢い不動産投資を始めよう

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2016年2月5日 8:00 AM カテゴリー: テクノロジー, トレンド, 不動産投資

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