家賃が2倍で面積は2.5倍になる。部屋の広さと家賃との相関関係について 

家賃が2倍で面積は2.5倍になる。部屋の広さと家賃との相関関係について 

部屋(写真=Thinkstock/Getty Images)

 引っ越しなどで部屋探しをするとき、おおまかな家賃の予算があって、その範囲内でできるだけ条件の良い物件を探す方が多いのではないでしょうか。
賃貸マンションに住むときの条件の中には駅からの徒歩距離だったり、面積、㎡あたりの家賃単価が気になったりもしますよね。
今回は、部屋の広さ(面積)と家賃単価の関係についてみていきます。

東京メトロの沿線で家賃相場が近い駅を洗い出す

 Gate.サービスでは、データに基づいた不動産評価サポートとして「Fair Mark Report」という不動産評価レポートを提供しています。
その評価レポートのもととなる不動産データを使って、東京メトロの沿線の家賃分析を行いました。

 まず、東京メトロの170以上の駅ごとに家賃相場を集計して、1つの駅ごとに家賃単価の平均を算出し、駅ごとの平均家賃とします。その次に、平均家賃の似た駅を抽出します。㎡あたりの単価が3,000円台(20㎡の部屋なら60,000以上80,000円未満)の駅は42ありました。(データ数が少ない有楽町や竹橋などの駅は除いています)

 42駅のうち、順不同でいくつか具体名をあげると、本郷三丁目、湯島、築地、四谷三丁目、神楽坂、田原町、後楽園、入谷、木場、本駒込などがあります。

25㎡近辺で家賃単価が大きく変化する

 42の駅について、駅徒歩が6から10分、築年数で10から20年のマンションのデータだけを集計しました。
これは駅からの距離や築年数の要素によるブレを少なくするためです。

 部屋の広さと家賃の関係の具体例を、人形町と神楽坂、そして早稲田と茗荷谷の例で示します。

1

 1つの点が1部屋の家賃単価です。人形町駅周辺の賃貸マンションは、20㎡の部屋で家賃が86,000円程度、40㎡の部屋では140,000円程度です。1㎡あたりの単価にすると、20㎡の部屋では4,300円、40㎡の部屋では3,500円となります。神楽坂は、20㎡の部屋で家賃が80,000円(単価4,000円)程度、40㎡の部屋では148,000円(単価3,700円)程度です。

 人形町と神楽坂のどちらも単価でみると、20㎡の部屋のほうが40㎡の部屋よりも高くなっています。

2

 他の駅でも同様のことがいえます。上の図は茗荷谷と早稲田の比較です。どちらも部屋が広くなるほど家賃単価が低下する傾向があります。

 42駅のデータをまとめたものが以下の図です。取扱いデータ数が多いため、部屋を1㎡ごとにグループ化し、そのグループの家賃単価の平均値を取りました。

3

 部屋が狭いほど家賃単価は高く、部屋が広くなると家賃単価が下がる傾向があります。この図をみると、25㎡近辺で家賃単価が大きく変化し、開きがあることが分かります。

借りる視点と貸す視点

 家賃と面積の相関関係を調べてわかることは、部屋を借りるなら1人で20㎡の部屋に住むよりも、2人で40㎡の部屋に住んだ方がお得だということです。バス・トイレのスペースと居住スペースのバランスも良く、光熱費の負担も1人暮らしに比べ、負担が少なくてすみます。

 42駅全体で見ると20㎡の部屋を借りる場合、家賃は78,800円。40㎡の部屋は128,800円です。
単価では、20㎡の部屋で3,940円、40㎡の部屋で3,220円です。
また、50㎡の部屋でも家賃が153,000円(単価で3,070円)なので、20㎡の部屋の2倍の家賃で50㎡の部屋を借りることができます。
家賃が2倍で広さは約2.5倍なのです。

 一方で不動産のオーナーの視点で先ほどの図をみると、賃貸スペースあたりの収入単価が高いのはコンパクトな部屋だということがわかります。ただし、コンパクトな部屋をいくつか保有して不動産経営をする場合は、維持・管理の手間暇がかかってくることになるので、心に留めておく必要があります

不動産投資カテゴリの最新記事